株式会社コンセントでサービスデザインチームを立ち上げ、顧客視点での新規サービス事業開発や体験デザイン、またそれを生み出す組織やプロセスをつくるデザイン活動に従事する赤羽氏による新連載。第1回は、ジェイク・ナップ式のデザインスプリントについて紹介する。

 

 

 

 

デザインスプリントとは

「デザインスプリント」という名称を聞いたことはあるでしょうか?その意味は、書いて字のごとく「デザイン」の「スプリント(短距離走)」を指します。

デザインスプリントは世界のいろいろなデザイン・エージェンシーがそれぞれ独自のアプローチで設計した数日間から数週間の集中ワークショップ・プログラムの総称です。

近年日本でも、海外でも、多くの企業(有名なところだけでもGoogle, Facebook, AirBnB, Slack, Nest, IDEO, LEGO, HomeDepot, Lufthansa , New York Times, Mckinsey&Coなど)や行政、自治体などで実施されて効果を上げています。効果効能については、いくつかの観点がありますが、時間効率と効果を高まる、チーム全員の創造性を引き出すことができる、短期間で価値を試作し検証できる、などのメリットがあります。

デザインスプリントのなかで、最も多くの人たちに活用され世界的に有名なものは、GoogleやGoogle Venturesに在籍していたジェイク・ナップ氏によって開発されたものでしょう。氏の最初の動機は「職場で過ごす時間を効率的で有意義なものにすること」「本当に大事なことに集中して、自分、チーム、顧客の価値のために時間を使うこと」だったそうです。

ジェイク氏は、この動機をもとにGoogle在籍時にデザインスプリントの原型を考案し、Google Meetsの初期プロトタイプの開発のスピードアップに貢献。そののちGoogle VenturesというGoogleのスタートアップへの投資部門のCEOビル・マリスに招聘された後に、Google Venturesのメンバーと議論の重ね、現在の形である5日間のデザインスプリント・プログラムを完成させました。ここからわかるように、デザインスプリントはプロダクトやサービスの機能開発に使えることはもちろん、スタートアップや新規事業のプロトタイプにも使うことができるように作られています。

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