大胆な発想と行動力で挑戦し続けるフィットネスクラブプロデューサー、株式会社五十苅知博事務所代表取締役五十苅知博氏。
今号では、SPORTEC名古屋で講演された内容の一部をご紹介いただく。このままでは24時間ジムが淘汰されうることを示しながら、今後勝ち残るための条件や再生のための具体的施策について述べる。
株式会社五十苅知博
事務所 代表取締役
6月にポートメッセなごやで開催されたSPORTEC2021で、セミナーを担当させていただきました。名古屋初の記念すべきSPORTEC 2021ですが、残念なことに開催地である愛知県は緊急事態宣言中。県をまたぐ不要不急移動には自粛要請が出ており、来場を断念された方も多いはずです。今号では、セミナー内容を1人でも多くの方へ知っていただくため、内容を一部紹介していきます。
参加率3.33%の謎
「日本のフィットネス参加率は低い」「世界の主要国と比べると成長の余力が十分にある」などの言葉は、24時間ジムのフランチャイズ(以下、FC)説明会では必ず聞くフレーズではないでしょうか? 実際、IHRSAのレポート資料の数字では、参加率が3.33%となっています。
しかし、考えてみてください。施設数は4,950施設となっています。24時間ジムのFCでトップを走るエニタイムフィットネスは900施設を突破したとHPには記載されています。女性専用のカーブスも2,000店舗を突破したと決算説明資料には記載されています。この2社だけで約3.000店舗です。全体の5分の3を占める計算になります。業界人であれば参加率の算出根拠を知っているでしょうが、FC説明会に参加される方たちはブルーオーシャン市場だと勘違いさせられてしまうのです。
こうして不幸なフィットネスジム経営者が数多く生み出されてきました。
アメリカの今
レポートによると、「2020年12月のデータは、2019年12月と比較して、アクティブメンバーが77%正常に戻り、総収益が80%正常に戻ったことを示しました。
ワクチンがより広く流通するようになると、フィットネス業界はこれまでで最も強い年になるでしょう。新年の3か月余りで、すべての主要業績評価指標のカテゴリで大幅な改善が見られています」との記載があります。
約60万人が犠牲になったアメリカでも、フィットネス業界は急速に復活しています。同じことは日本でも期待で