オンラインのレッスンは、クラブが会員とつながりを保つための有効な手段である一方、オンラインプログラム側も急速な成長をしており、トレーナーは新たなスキルを身につける必要性が生じている。
コロナ禍において、オンラインフィットネスは、クラブが会員とのつながりを維持するためのチャンネルを作ったり、新しい収益源を構築したりと、さまざまなメリットをもたらしてきた。
そして、オンラインフィットネスは今後も継続して活用されていくことが予想される。ACSMの2021年フィットネス・トレンド世界調査によると、主要トレンドによると、「オンラインフィットネス」「バーチャルトレーニング」「モバイルエクササイズアプリ」と新たに、3つのオンラインフィットネス関連項目がトップ20に入っている。その中でも、2020年では26位であったオンラインフィットネスが、2018年~2020年には連続で1位を獲得していたウェアラブルテクノロジーを押しのけて、2021年には1位となった。その他、バーチャルトレーニングは6位、モバイルエクササイズアプリは12位と、いずれも高い注目を集める結果となっている。
オンラインフィットネスの普及に伴い、国際スポーツ科学協会(ISSA)、全米スポーツ医学アカデミー(NASM)、全米プロトレーナー連盟(NFPT)、パーソナルトレーナー開発センター(PTDC)など、いくつかの認定機関がオンライン指導に特化した教育などのリソースも立ち上げている。
フィットネス業界としても、このオンラインフィットネスへの移行はかなりの速さで進んでいるように見える。しかし、トレンドの変化や認証機関のリソースの増加は、インストラクターにとって大きな変化であることも事実である。これまで当たり前であった聴衆の前からカメラの前へと移動することで、新しいスキルへの適応が必要となり、それ自体が課題となっている。
スキルを身につけ、課題を克服する
このオンラインフィットネスというビジネスチャンスは、ある意味では諸刃の剣ともいえる側面をもつ。
TRXトレーニングのシニアディレクターであるブリン・エリオット氏は、「多くのフィットネスクラブのドアがまだ閉まっている中、オンラインフィットネスは多くのトレーナーに、大切なメンバーやクライアントとのつながりを保つ機会を提供すると同時に、彼らが切望していた仕事も与えてくれます」と述べている。
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