PJフィットネス研究所を設立し、フィットネスに関する研究を行う株式会社プロフィットジャパン代表取締役菊賀信雅氏。新型コロナウイルスと運動の関連性についての海外の論文から、最新情報をお届けする。フィットネスの価値を再訴求するために役立てていただきたい。
12月の中旬まで、新型コロナウイルスの新規感染者数が少ない状態が続いています。その理由は、今のところはっきりとは分かっていませんが、ワクチン接種率75%以上、3密回避、マスクの着用、換気の徹底など複合的な要因が今の状態をつくっているという見方がされています。
ただ、南アフリカで見つかった「オミクロン株」が蔓延し、第6波が来る可能性が高まっており、その対策としてワクチンの第3回目の接種が12月から始まっています。
PCR検査、ワクチン、治療薬、3密回避、社会的距離、換気などは、政府及び厚生労働省が強く告知し、何度も何度もニュースなどで訴えられています。しかし、コロナに勝つには運動が必要不可欠で継続的に行うことが最も大切だとの報道はなく、行政・政府からアナウンスされません。
コロナに打ち勝つフィットネス
アメリカやイギリスなどの海外では、このCOVID-19パンデミック(以下、新コ禍)の間、免疫力を高め、身体不活動や社会的孤立ストレスが及ぼす免疫システムへの悪影響を軽減するために、推奨される運動レベルを維持する努力が不可欠だとかなり報道されています。
アメリカ人のための身体活動ガイドラインでは、週150〜300分の中~高強度の有酸素運動と、週2回の筋力トレーニングを推奨しています(Piercy et al、2018)。また、フィットネスクラブで安全で効果的なトレーニングを行い、加えてウォーキング、階段登り、庭の手入れ、家事などのアクティブ身体活動を通じて、屋内または屋外で活動的な状態を維持することも効果的です。重要なのは、長時間(60分以上)座っていることを避け、1日を通して定期的に身体活動を実行しようとすること(Simpson et al、2020)。さらにいくつかの研究によって、有酸素運動(心肺フィットネス)や筋力トレーニングがコロナウイルスに打ち勝つことが示されています。
宇宙空間で行われた最新の実験では、心肺フィットネスと骨格筋の持久力のレベルが高い宇宙飛行士は、国際宇宙ステーション(ISS)での6ヶ月のミッション中、ウ