長年にわたり、「カスタマー・ジャーニー」という言葉は、消費者が企業のブランド、製品、サービスと接する経路や相互作用を指す言葉として使われてきた。消費者は、紹介者、現在の顧客や会員、潜在的にサービスを検討している人、あるいは企業のビジネスを管理する社内スタッフの可能性もある。

この行程には、直接的な接点と間接的な接点の両方が含まれている。例えば、広告、CM、Webサイトなど顧客と企業との直接的な接点だけでなく、ブランド、製品、サービスに対する第三者の意見を得る間接的な接点も含まれる。間接的な接点としては、レビューポータル、ユーザーフォーラム、ブログなど比較的影響力も大きい。

一般的に、カスタマー・ジャーニーには、製品やサービスを発見する「認知」や「発見」、潜在顧客が製品やサービスを購入し、実際の顧客になる「コンバージョン」といった段階が含まれる。

異なる種類の誘導

フィットネス業界では、顧客の誘導は独自のユニークな顧客層に特化しているため、「会員向け誘導」という言葉が使われている。会員の行動を理解するための用語やステップは類似しているが、全体的な体験を作り上げる際の手順や経路は異なっている。

Club Automation社の営業担当副社長であるニック・ソートンは、"The Experience"と呼ばれる手法でカスタマー・ジャーニーの概要を説明している。

1.見込み客とのエンゲージメント

「この段階は、見込み客に何らかの方法で、あなたの存在を示すことが重要なのです」とニック氏は言う。Facebookの広告やInstagram、顧客は、あなたの店の前を車で通り過ぎるかもしれないし、スマートフォンで「やあ、Siri、近くのクラブを探して」と話すかもしれない。それくらい簡単に顧客はフィットネスクラブにリーチできる時代なのである。

2.コンバージョンの向上

「クラブを見ている会員候補者の注意を引いた後、その人を会員に変えるのは難しいことですが、そうする必要はありません」とニック氏は話す。

「見込み客の関心に1分以内に反応すれば、コンバージョンの可能性が230%高まることがわかっています。会員を成約させることができるのです。クラブを探す見込み客は、おそらく決断するまでに3つか4つのウェブフォームに記入することになるでしょう。そのプロセスを円滑にすれば、コンバージョンを増やすことができます」

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