フィットネス事業者が直面している課題の1つに「継続率の低さ」が挙げられる。
施設数増加やサービスの多様化により、ユーザーが簡単にクラブを乗り換えられる時代、「痩せたい」「筋肉をつけたい」といった明確な入会目的があるからこそ、その変化を実感できないまま退会してしまう人も多い。
「健康サイクル」を無理なく実践
継続率の低さという課題に対し、「変化を“可視化”することで、継続のモチベーションを保ちやすくなる」と語るのは、株式会社タニタ(以下、同社)新商品推進部の後藤駿介氏。
同社は長年、①体組成計ではかる、②身体の状態がわかる、③改善点に気づく、④行動することで変わる―という健康サイクルを提案してきた。
2025年10月に発売するプロフェッショナル体組成計「MC-800」は、体組成の計測からデータの確認までをストレスなく、気持ちを高める体験となるように設計することで、この健康サイクルを無理なく実践できる。
同社の企業スローガン「Healthy Habits for Happiness」を体現した、ユーザーのトレーニングへのモチベーションを高めて運動習慣をサポートする体組成計だ。

「はかる体験」をより自然に
体組成の計測は、トレーニングの目標設定や成果の確認に有用なことから、多くのフィットネスクラブで活用されている。その一方で、数値がプレッシャーになったり、計測を手間だと感じたりして、体組成計測にネガティブなイメージを持つ人もいる。
そこで本商品は、ユーザーの「体組成をはかりたい」気持ちを刺激するデザインと操作性にこだわった。
本体にはガラスや鏡面加工を施したアルミ製のポールを採用することで、周囲の空間になじみながらも存在感を放つスタイリッシュなデザインに仕上がっている。また、一般的な施設向け体組成計の測定台の厚さは10cm程度だが、本商品では新たに開発した薄型調整脚を採用し、約5.5cmの薄さを実現。
乗り降りしやすくしたことで、あらゆる世代の方が手軽に体組成をはかれる。計測時間は同社の部位別計測が可能な中では最短となる約15秒で、ストレスなく計測を習慣化できる。
「筋肉の質」の可視化が継続率向上のカギ
本商品は、医療・研究分野で体組成計測のゴールドスタンダードとされる「4C法」を基準に開発したアルゴリズムを中心に、同社の計測技術を集約した「TANITA 4C Technology」を搭載している。これにより、身体の厚みや体積など、体格の個人差の影響を低減して高精度に体組成を計測する。
全身と身体の部位ごとの体脂肪率、筋肉量などに加え、筋質(Phase Angle)を全身と右腕・左腕・右脚・左脚の部位別に計測・表示。筋質とは、主に筋肉における筋線維の割合を表しており、運動習慣に応じて敏感に反応する特徴がある。筋肉量よりも短期間で数値が変わるため、筋質の変化をチェックすることでトレーニングを続けるモチベーションの維持と向上につながる。
本商品の導入施設は、クラウド型のデータ管理サービス「TANITA FIT」を無料で利用できる。
既存の機器で利用する場合は別途利用料がかかっていたが、本商品ではその障壁を取り払った。これにより、本部スタッフが複数施設の計測データを一元管理し、退会リスクの予兆を掴んだり、顧客行動の傾向を分析したりすることができる。
データの施設帰属も確保されるため、個人アプリ経由の計測では得られなかった「資産」としての情報が、サービス向上や事業戦略に活かせるようになる。

「筋肉ならタニタ」を目指して
後藤氏は今後に向けて、「『筋肉をはかるならタニタ』と言われるポジションの確立を目指す。フィットネスはもちろん、介護や医療領域とも連携しながら、より多角的なサポートを展開していく」と話す。
同社は7月30日に開幕する「SPORTEC2025」において、「MC-800」の実機を公開する。来場者には、精度の高さをはじめ、こだわったデザインや操作性、そして「はかる楽しさ」を会場で体感してほしい。ブースでは3色のデザインモデルを展示予定。来場者の意見をもとに、新たなカラーバリエーションの展開を見据える。
「はかることがトレーニングのモチベーションとなり、会員の継続率の向上につながる」。これを証明する一歩を、実感してほしい。
SPORTEC2025出展概要
日程/2025年7月30日(水)~8月1日(金)
時間/各日 10:00~17:00
出展ブース/E5-20-13