フィットネス事業者はもちろん、スポーツ産業や健康産業、まちづくりに関わる自治体など、数多くの方が開催を心待ちにしている日本最大の国際スポーツ・健康産業専門展「SPORTEC」。
今年はどのような盛り上がりを見せるのだろうか? 今年の「SPORTEC」の特徴や見どころを紹介したい。
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TSO International 株式会社セールス部門執行役員栗原 謙氏
7月30日(水)・31日(木)・8月1日(金)の3日間、日本最大の国際スポーツ・健康産業専門展「SPORTEC2025(以下、SPORTEC)」が、東京ビッグサイト東展示棟で開催される。
「スポーツ人口を増やし、スポーツ競技力向上と健康社会を実現する」をビジョンに掲げ、スポーツを「もっと身近に」「もっと推進する」ことを目的に、SPORTECは開催されている。世界中からスポーツ・健康産業に関わる民間企業や健康産業に関わる行政団体が集まり、パフォーマンスを高める世界のスポーツ機器・用品・サービスが、一堂に450社集結予定。
TSO International株式会社でセールス部門の執行役員を務める栗原謙氏に、概要や特徴、見どころを訊いた。

―――SPORTEC2025の概要を教えていただけますでしょうか?
SPORTECはパフォーマンスや競技力を高める世界のスポーツ機器や用品、設備やサービスといったコンテンツが一堂に会する展示会となります。加えて、最新のフィットネストレンド、スポーツテクノロジー、スポーツ政策、スポーツを通じた地方創生・まちづくり、教育現場・指導者の人材育成など、トレンドに合わせたセミナーも多数開催します。今年の出展社数は450社を見込んでおり、来場者数は4万人を目標としています。
―――来場者にどのような価値を届けられる展示会ですか?
国内だけなく、世界のトレンド情報も得られる展示会です。最新のフィットネス機器やプログラム、テクノロジー、ニュートリション、スポーツビューティーなど、スポーツ・健康産業に関わるあらゆる企業が世界中から出展します。それら最新の製品やサービスの価値を目の当たりにして、体験や体感ができる時間は貴重な価値といえます。
さらに今年は、HFA(Health&FitnessAssociation、以下HFA) のDirector APAC Sean Tan氏が来日し、FIA(一般社団法人日本フィットネス産業協会、以下FIA)とのコラボレーションで、講演を行います。そこで「日本とアジアのフィットネス市場の現在地」をテーマに、グローバルな話が聞けます。事業者の方々にとっては、フィットネス業界の最先端をいく海外、そして急成長中のアジアへの目線を向けられることも、大きな価値といえるでしょう。

―――今年のテーマ、特徴や見どころを教えてください。
近年、トレーナーの役割と重要性が注目されています。SNSなどによる情報過多の時代、フィットネスユーザーへの道しるべとなるような、適切な指導が求められています。トレーナーがマシンやIoTツールを活用して効率的かつ効果的な成果を出すことはもちろん、疲労蓄積による怪我のリスクを回避するための指導を行うことは、とても重要です。
また、大手クラブはピラティス専門店を次々と出店したり、シミュレーションゴルフを取り入れたコンセプトジムも増えたりしていますが、ゆえにピラティス・ヨガインストラクターやティーチングプロなどを含めた専門的なトレーナーの育成が急務です。
そういった観点から、NSCA(National Strength and ConditioningAssociation、以下NSCA)、 JATI(日本トレーニング指導者協会、以下JATI)、NESTA(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会、以下NESTA)、PGA(日本プロゴルフ協会)、JGRA(全日本ゴルフ練習場連盟)などが参画する、トレーナーの知識を高めるセミナーを充実させました。
それと連動し、展示ブースには多くのピラティスマシン、コンディショニング・リカバリー製品やシミュレーションゴルフ機器なども展示されます。それらの商材を導入し有効活用することで、顧客の満足度や利用単価の向上につなげられるはずです。
また、身体づくりを基盤とした「ピラティス・ゴルフ・コンディショニング・ビューティー」など、「フィットネス×〇〇」といった複合的なサービスを展開することで、他店舗との差別化を図れるのではないでしょうか。このように、現場で活躍する方向けのコンテンツが見どころの1つです。

―――今年も沢山のセミナーが開催されると思いますが、どのような内容にフォーカスしていますか?
100本以上のセミナーを開催予定ですが、数よりも質の高い専門性を今回は作り上げております。現場で活用できる内容にフォーカスし、例えば初日のNESTA、2日目のNSCA、3日目のJATIといった各セミナーなど、トレーナーのスキルアップを目的としたもの
が多いです。
同時開催となるピラティスフェスタin SPORTECでは、日本だけでなく、韓国やアメリカ、欧州から講師を招待しています。また、テクノロジーを駆使したシステムを運用されている企業もセミナーを行います。フィットネス業界では、人手不足、トレーナーによる指導レベルが均一化されていないことが課題の1つです。課題を解決するためには、トレーナーのレベルアップが必須となります。
そのサポートとなるテクノロジーに、ぜひ注目してほしいです。特に、まだ経験の浅いトレーナーにとって、学びの場になると思っています。また、ゴルフ指導の現場に寄り添ったゴルフ関連のセミナーも豊富に揃えています。
そのほか、前述のHFAとFIAによるグローバルな講演、室伏広治スポーツ庁長官らが登壇する基調講演「スポーツ庁創設10周年記念講演」も見逃せません。
―――どのようなイベントが開催されますか?

昨年も賑わいをみせたボディコンテストの登竜門「マッスルゲート(MUSCLE GATE東京スポルテック大会)」や日本最高峰のボディメイクコンテスト「SPORTEC CUP(Wellni SPORTEC CUP 2025)」は、継続して開催します。
SPORTEC CUPは、近年増え続ける参加者のため、カテゴリーを増やし、2部構成に変更しました。日本のトッププレゼンターのレッスンが堪能できる旧ダンスフィットネスコンテストは刷新し、「FITNESS SUMMIT JAPAN 2025」の名称で開催されます。
今年初開催となる、日本を代表するウェルネス事業者No. 1決定戦「アイデア ピッチコンテスト『Wellness Leaders Award 2025」も大注目です。
会議棟では、初日に日本国内のスポーツパフォーマンスに関わる研究者・実践者の交流の場である「スポーツパフォーマンス学会大会」、2日目と3日目に一般社団法人 日本機械学会によるスポーツ工学・情報学・ヒューマンダイナミクスなどがテーマのシンポジウム「SIT(Sports Informatics and Technology)」を催します。学術的な学びも身体づくりや競技力向上につながる導線として、参加する価値があると思います。
―――来場者へメッセージをお願いします。

SPORTECは様々なフィットネス、新しい形のフィットネスが提案される場です。最新のマシンや機器・ツールはもちろん、ブームからのムーブメントにしていくためのピラティスから、IoTを駆使したテクノロジーやトレーニング効果をさらに引き出すコンディショニング・リカバリー製品、女性が望むスポーツビューティーに至るまで、得られる情報は幅広いです。
未知の情報を、ぜひキャッチアップしてください。そして、ビジネス創出のきっかけとなる出会いの場でもあります。新しい出会いをつくり、フィットネス産業を一緒に盛り上げていきましょう。
―――今後の展望や目標を教えてください。
アジア、そして世界への懸け橋という位置づけの展示会を目指しています。我々が懇意にしているのは韓国や台湾、中国のほか、タイやベトナムなどの東南アジアです。それらの国々とはすでにコミュニケーションが取れています。
今後はさらに日本のフィットネス産業の強みを活かし、世界の情報がSPORTECに集まり、SPORTECを通じて世界発信ができる環境づくりを目指します。