「ノーペイン・ノーゲイン」の考え方をきっぱりと捨てる

Planet Fitness によって打ち出されている、最近の「Fitacular」のような、高コストなマーケティングキャンペーンを目にする。フィットネスのあるライフスタイルは、エンドルフィンが多く放出され、運動後に満足感を得られることがその本質だ。

IHRSAが共同で行ったClearView's Reconnectという行動科学に裏付けられた研究によれば、消費者は運動した後にすぐに得られる心地よいベネフィットによってモチベーションを高めやすいようだ。

では、ファンクショナルトレーニングのような、より強度の高いプログラムにはどのような意味があるのだろうか。ファンクショナルトレーニングは、「ノーペイン・ノーゲイン」の精神に基づき、高強度インターバル・トレーニング(HIIT)と同義語になっている。これは、激しい・速い・汗をかくほどの労力を要する・肩で息をするほど呼吸がきついことが特徴で、最後には達成感からハイタッチしたくなるほどだ。

このような激しいトレーニングは依然として人気がある。しかし、パンデミックはフィットネス提供者がファンクショナルトレーニングを見直すきっかけとなった。このような変化の背景には、次のような要因が挙げられる。1つは、コロナによるロックダウンの影響でフィットネスクラブが閉まり、運動の習慣を諦めてしまった人が、コロナが終息傾向にあることで戻ってきたこと。もう1つは、健康維持のための身体活動の重要性が注目されるようになり、運動不足の人たちがジムにやってくるようになったことだ。

さらに、ワークアウトを構成する概念が広がり、パンデミックによる孤立が、消費者にコミュニティへの所属を強く求めさせるようになった。

これらのことはafterコロナにおいて、フィットネスクラブが新しいタイプのファンクショナルトレーニングを通じて消費者の運動ニーズに応えるための絶好の機会となるだろう。

ただ筋肉を鍛えることよりも、ファンクショナルトレーニングが日常動作、より良い動き、快適さを達成するためにどう影響するかということに重点を置いているのだ。

ケトルベルを振ったり、縄跳びをしたり、そりを押したりするだけでは、もう物足りない。ワークアウトを必要悪として認識する従来の「ノーペイン・ノーゲイン(痛みを伴わなければ、何も得られない)」という考え方