長年、フィットネス業界において、施設デザインから集客までハード面・ソフト面で幅広い経験をもつ中村良明氏による連載。中村氏が考えるデザインに影響を与える要素のなかから、「色」をテーマとして、色にまつわる経験談やアイレクスにおける色の効果を活用したデザインを紹介する。

アイレクススポーツライフ株式会社
デザイン&コンサルティング チーフディレクター

今号のテーマは「色」

さて、今号では空間プロデュースにおいてデザインに影響を与える要素として「色」を取り上げたいと思います。

Fitness Business通巻120号で、色について、「色相・明度・彩度などの要素があり、それらをベースカラー・メインカラー・アクセントカラーとして、どう使っていくか」ということだけをお伝えしましたが、基本となる内容について簡単に記します。

色の三属性についてですが、まず色相とは赤・青・黄のような一般的な色の相違を言い、温暖色・寒冷色・中性色などにも分類されます。

明度とは色の明るさの度合いを言います。明るく白に近づいた状態は明度が高く、暗く黒に近づいた状態は明度が低いということになります。

彩度は色の鮮やかさの度合いを言います。ビビッドで鮮やかな色味ほど彩度が高く、落ち着いた色味は彩度が低いということになります。

さて空間プロデュースにおけるカラーコーディネートですが、まずベースカラーとは、空間の基調となる色で、配分上最も多い部分(70%程度)を占める基調となる色のことを言います。

メインカラー(アソートカラーともいう)とは、空間の主役となる色で、配分上次に多い部分(25%程度)を担う色のことを言います。

アクセントカラーとは、空間のなかで強調する色で、メリハリや引き締めをきかせるポイント部分(5%程度)に使う色のことを言います。

なお、このカラーの配分ですが、実際の空間プロデュースにおいては、あくまで目安としての比率になります。

カラーコーディネートのポイント

フィットネスクラブにおけるカラーコーディネートのポイントとしては、ジム・スタジオ・プールなど空間用途の要素に加え、実際の利用シーンによるアレンジが必要です。利用者が活発に動く空間なのか、落ち着いて寛ぐ空間なのかなどで、要求される色バランスも変わってきます。そのシミュレーションの力が