カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社(以下、CCC)が、独自のスタイルによるウェルネス施設「TSUTAYA Conditioning」の出店を加速している。
同社は「蔦屋書店」をはじめ、常に時代に合わせて新しい価値空間を消費者に提案してきたが、健康志向の強まりを背景に「TSUTAYA Conditioning」では、どのような価値を生活者へ提供していくのか。「TSUTAYA Conditioning」事業責任者である、カルチュア・エクスペリエンス株式会社商品本部ウエルネス部部長の松本敦氏に訊いた。

生活・カルチャーに変革をもたらすCCC

「TSUTAYA Conditioning」は、"ココロとカラダを整える"をコンセプトにした、TSUTAYAが提案するこれまでに類を見ない、「整えるジム」である。

運動初心者でも無理なく続けられる全自動AIマシンサーキット、ストレッチマシン、マッサージ機、ヨガスタジオ、マシンピラティススタジオなどを導入設備として揃え、店舗ごとに最適な組み合わせをしていくいが、最も特徴的なスペースが「ブックラウンジ」である。ブックラウンジ内には、運動・美・食・暮らしをテーマに『代官山蔦屋書店』のコンシェルジュが選書した本が並ぶ。本の数も店舗規模により異なるが約200冊を置く店舗もあり、店内の本棚には毎月7~10冊ずつ追加されるようになっている。またラウンジに設置されるタニタカフェ(セルフカフェ)では、健康に配慮したコーヒーやフードが用意されている(一部店舗のみ設置)。ラウンジ内の席では読書を楽しむ以外に、パソコンやスマホを見ていたり、書き物をしていたり、思い思いの過ごし方をしていることがわかる。

TSUTAYA Conditioningが目指すものは、「鍛える場所ではなく、『整える』空間。ウェルネスの新しいカルチャーを、生活者に提案している」と松本氏は話す。

なぜ、このような店舗を創ろうとしたのか。「TSUTAYA」の企業文化にも大きく影響している。

「TSUTAYA」と聞くと書店を想い起こす読者もまだ多いと思うが、時代変化に対応し、書店として展開を続けてきた。2011年に誕生した「蔦屋書店」は行くこと自体が楽しい店舗業態になっているのは周知のとおりだ。近年では空間価値創造にも着手している。実はCCCは、1985