現在順調に運営をしている企業であっても、ここまでくる道のりでは様々なことがあっただろう。どのような苦労や失敗を乗り越え、またどこに成功要因を見つけたのか。当業界のリーダーらから、それぞれが学んだことについて披露していただく本連載。第44回目は、株式会社nobitelの黒川将大氏にお話を訊いた。
ストレッチ業態のパイオニアとして、圧倒的なシェアを誇るDr.stretch を運営する株式会社nobitel(以下、nobitel)。その先頭を走るのが代表取締役を務める黒川将大氏だ。22歳という若さで起業し、これまで数多くの事業を行い、成功も失敗も多数経験してきた。その波乱万丈な人生を黒川氏はどのように乗り越え、成功を収めているのだろうか。
数多くの業態にチャレンジしビジネスへの嗅覚を養う
現在、Dr.stretchは世界で200店舗以上を展開。同業態では右に出る者はいない、リーダー的存在だ。今でこそ、当たり前のように利用されているストレッチ専門店だが、2010年に1号店を出店したとき、ストレッチ業態という言葉はなかった。
まだマーケットも存在しない業態に対しても、黒川氏は自信を持って店舗展開を進めていったと言う。このようなビジネス感覚はいかにして身についたのであろうか。黒川氏に訊いた。
「これまで、様々な事業を行っていくなかで、たくさん失敗を経験しています。20代で、スノーボードショップを潰したときは、7000万円の借金を負いました。ただ、スノーボードショップ自体がハズレだったわけではなく、当時の私には、会社を伸ばすための経験と知力が足りていなかったのです。自動車のビジネスを行っていたときも、お客さまが殺到しているにも関わらず、供給が間に合わず、事業を撤退せざるを得なくなったこともありました。なので、Dr.stretchは絶対に流れに乗せるという想いで取り組みました」
ビジネスへの嗅覚は簡単に養えるものではない。バイタリティ溢れる黒川氏は、過去の失敗もすべて、自身の糧にしているのだ。
FC展開成功のカギはカテゴリーキラーになること
Dr.stretchはFC展開をしながら、日本全国に店舗を拡大している。しかし、このFC展開でも黒川氏は過去に苦汁をなめる経験をしている。
「リラクゼーション