フィットネスクラブの見学・体験を専門に指導する第一人者、林佳範氏。自身の体験談を交えながら、会員に安心感を与えることで、フィットネスクラブが価格競争に巻き込まれずに運営するためのヒントをいただいた。

 

現場で「価格が高い?」と言われるのです。どう対策したら良いでしょうか?という質問や相談を受けます。価格は、面白いことにその感覚は意外と適当なものです。今号では、価格は比較が9割をお伝えし、営業担当がすべき価格アプローチの対策について、いくつかご紹介します。そもそも物の価値はどう決まるのか? 基本は、学生時代に習った「需要と供給」で決まります。年初に「卵が高い!」と話題になりましたが、需要と供給の関係で価格は変わりますよね。

大切なのは、現場での価格が高いと言われる原因の「9割は比較」だということです。

価格は比較が9割!

経営者が決定する価格戦略は、主に①コスト、②ニーズ志向、③競合ベースのいずれかで決定するケースがほとんどでしょう。しかし、私たちの現場の「ちょっと高いな〜!」は「比較が9割」です。

ですからその対策をする必要があるわけです。私の比較の実体験から1つご紹介させていただきます。

先に結果を言いますと、この冬に夫婦で焚き火をしたくて新しい椅子を購入しました。元々は、100円ショップで、300円ほどで売っている椅子で十分に満足していたはずなのに。夏に釣りやバーベキューなど子どもたちとも一緒に使う用の300円の椅子で十分満足していたのです。

よく「キャンプは椅子が大事だ!」という話をTVやネットでも見ていたのですが、欲しくはありません。たまたまキャンプグッズのお店に行き、椅子を見る機会がありましたが、値段が1万円前後、高いものは3万円ほどします。

安い4,000円の椅子を見ても、元は300円ですから比較してしまい「高いなぁ〜」と夫婦で言っていました。その「高いなぁ〜」と言っていた夫婦が30分後に「価格の比較」が激変していたのです。

何度か色々な椅子に座っているうちに、価格当てクイズをやり出しました。単純です、座って価格を当てる。これがまぁ当たらないのです。8,000円くらいと思ったものが34,000円とまさに素人の価格感覚は適当なものです。その中で、1つ飛び抜けて座り心地の良い