フィットネスクラブの見学・体験を専門に指導する第一人者、林佳範氏。自身の体験談を交えながら、会員に安心感を与えることで、フィットネスクラブが価格競争に巻き込まれずに運営するためのヒントをいただいた。

 

現場では、「あなたに任せたい!」と言ってもらえていますか?「あなたに任せて良かった」と感じてもらえていますか? 最高の営業とは「あなたに任せたい!」と言ってもらえ、お客さまに信頼してもらえることです

大切な人を最後に見送るとき
誰に任せたいと思うか

先日、この「あなたに任せたい!」はやはり原点だなと思う出来事がありましたので、私事で申し訳ないですが、ご紹介させていただきます。

この原稿を書く1週間前に、私は1本の電話をかけていました。それは「任せたい」と思った葬儀会社への電話です。父は5年前にステージ4の癌と診断されていました。そして最近、ついに入院が決まったときには、ある程度覚悟をしていました。想定外だったのは、入院3日目で急変し、旅立ってしまったことです。

入院した日に、万が一のことがあったときには冷静になれないだろうし、嫌な思いはしたくないと考え、葬儀会社の数社とお話ししました。直接お会いもしていない電話応対の3分程度で、最初の数社には任せたくないなと判断してしまいました。そして、4社目の電話で私は「この人に任せたい」と思ってしまいました。

その日、病院からその葬儀屋に電話をかけました。ところが、霊安室が遠いことを知った母が「近くの葬儀屋がいい」と言い出したのです。私は渋々、霊安室の近い葬儀屋に母と2人で歩いて相談しにいきました。

しかし、この葬儀屋が最悪でした。「この人には任せたくない!」「この人と最後の見送りをしたくない」と思ってしまったのです。見た目はビシッとしたスーツですが、同意共感力が一切感じられないのです。言葉も丁寧語を使いますが、心に全く響かないのです。人数制限もあり、当日中学生が1人でも増えてしまうと「契約違反となり、10万円の追加のコースになります」と淡々と説明をします。

ビジネスだから、仕方がないこともわかります。しかし、大切な家族が亡くなって30分で、来てくれる人にさえ連絡できてない状況です。参加者の子どもが中学生に成長しているのか、小学生のま