荒川毅さんは、フィットネスを多様化させたいとの思いから、2012年に株式会社アライアンス(以下、アライアンス)を設立。ドイツ製の最新型IoTマシン「milon」と音波振動マシン「SONIX」を通じて、ヘルスケアのプラットフォームをつくっていくために邁進している。
ヘルスケアを学ぶために渡米
milonと出合い起業を決意
まだ日本に「社会福祉」「ソーシャルワーカー」「メンタルケア」などの言葉がないころからヘルスケアに興味をもっていた荒川さんは、大学進学とともにアメリカに渡り、ヘルスケアについて学んだ。そこで改めて「健康であるためには心身ともに健康でないといけない」という考えを強くした。
「私が高校生のころは、日本は核家族化したり自殺が増えたりした時代で、社会が歪んでいました。精神面の不安定さを抱える人が多くいながらも、精神科に行くことは考えない時代で、心身が健康であるための社会のプラットフォームをつくりたいと思っていました。当時、日本では社会福祉やメンタルヘルスについて勉強する場がなかったため、アメリカの大学に進学しました」
帰国後、2002年に健康産業に携わりたいと、当時からヘルスケアに焦点を当てていた株式会社キッツウェルネス(現・株式会社ダンロップスポーツウェルネス)で働き始めた。しかし、フィットネスクラブで働きながらも、日本の健康ビジネスの遅れを感じることが多々あった。
そんなとき、起業を決意する出合いがあった。2009年に日本で開催されたIHRSAの太平洋パシフィックフォーラムで初めてmilonと出会ったのだ。milonのシステムによって荒川さんが目指す世界に近づくと考え、当初、なんとか日本で展開したいとあらゆる伝手を辿って提案したが実現しなかった。
「当初私はただのサラリーマンだったのですが、フィットネス業界にmilonは絶対必要だと、様々な人にお願いしました。しかし、誰もやってくれませんでした。ドイツ本社の代表からも、milonを一番理解している私がやるべきだと言われ、退職して自分で展開していくことを決めました」
あまりの急展開で、当初は法人化しておらず個人としての契約だった。その後、2012年に起業し、現在はSONIXなどほかのマシンも扱う