大胆な発想と行動力で挑戦し続けるフィットネスクラブプロデューサー、株式会社五十苅知博事務所 代表取締役 五十苅知博氏。物価の変化について振り返り、今の運営方法に警鐘を鳴らす。そのうえで、ジム・プール、スタジオにおける改善方法を挙げる。

インフレターゲット2%はグローバルスタンダード

世界中でインフレが進み、日本でも物の値段がドンドン上がっています。

日銀もインフレターゲット2%を目指すと発表していますので、今後も物の値段は上がっていくことになります。この流れはほかの先進国も同様でグローバルスタンダードだそうです。新型コロナ騒動の次は価格やサービスを再考する必要が出てきました。

バブル崩壊後、失われた30年と言われていますが、そのころの収支計画を見返すと、人件費や水道光熱費などの支出は年2%アップ会費など収入は3年毎に5%アップで組まれていました。なので、失われた30年を脱却して本来の流れに戻るとポジティブに考えていくしかありません。

放置型24時間ジムは厳しい戦いが待っている

指導サービスで差をつけられない放置型24時間ジムは、同種競合が増えた影響で、差別化策としては会費ディスカウントしか戦う武器がありません。賃料・光熱費が上がっていくなかでディスカウント戦略しかないのは厳しいですよね。

先日、アメリカの大手マシンメーカー担当者と話す機会があり、日本よりインフレが激しいアメリカの状態を教えていただきました。アメリカは今、バーガーショップなどでも時給3,000円くらい出さないと採用できないようです。

そんなアメリカで会費1,400円(10ドル)の大型24時間ジムを2,000店舗以上展開するプラネットフィットネスでは、70%が月間利用0回と聞きました。日本でも20〜25%の割合で月間利用0回はいますが、70%とは驚きです。けれど会費がスタバ1回分程度と安いので退会もせず放置している方が多いのだとか。

日本でも「chocoZAP」は小規模店舗ながらすでに550店舗、会員数55万人との情報が出ています。なんと1店舗平均数1,000名となります。あの