フィットネスクラブの現場最前線で、未顧客を含むライトユーザーへ商品・サービスを提供し、運動の習慣化を促すのに、パーソナルトレーナーやインストラクターの存在は欠かせない。
しかし、パーソナルトレーナーやインストラクターが、自分自身で収入を管理し、毎年の確定申告を行いながら、普段のレッスンと両立するのは、簡単ではない。
制度や仕組みをしっかりと理解し、前もって準備しておくことが重要だ。
そこで、スポーツ・ウェルネスのトレンドメディア『NEXT』で、「フィットネス・トレーニング指導者のためのファイナンシャルプランニング」を連載する田澤氏に、フリーランスのトレーナー・インストラクターが知っておきたい節税対策について訊いた。
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田澤 有貴秀ゴールドジムスタジオディレクター
NSCA-CPT
青山学院大学・日本福祉大学卒業
社会福祉士
AFFILIATED FINANCIAL PLANNER(2級FP技能士)
宅地建物取引士
介護実務者研修終了(旧ヘルパー1級)
✉ yukihide.tazawa@gmail.com
年内にできる節税対策
前回は「定額減税」についてお話ししました。
市区町村により時期が異なりますが、給付がある方には支給のお知らせの封筒が送られているかと思います。
原則申告不要、書類に記載された口座への振り込みとなります。該当される方は通帳の確認を忘れずに行いましょう。
今回は、来年の確定申告に向けて、フリーランスのための、今からでも間に合う、令和6年度版の節税対策を紹介します。
今回は、所得控除にフォーカスし、資金に余裕がある方にオススメの「ふるさと納税」、「小規模企業共済」、「iDeCo」の3つを紹介します。
①ふるさと納税
ふるさと納税とは自身で選んだ自治体への寄附金制度。
寄付した金額から2000円を引いた金額が住民税から原則全額控除されます(確定申告をする場合、一部所得税から控除)。
ふるさと納税として翌年の住民税を前払いすることで、寄付先の自治体から様々な返礼品を受け取ることも可能です。
今年からふるさと納税を始める方は、今年の住民税の支払いとふるさと納税の支払いが重なり、一時的に住民税の負担が増えてしまう点、ふるさと納税の控除額に上限がある点に注意が必要です。
②小規模企業共済
小規模企業共済とはフリーランス向けの退職金を積み立てる制度。掛け金は月額1,000円から70,000円で自由に選択、変更でき支払った全額が所得控除となります。
資金に余裕がある方は、一括納付を行うことで年末でもしっかり節税対策ができます。
また、受け取り時にも退職所得金控除または公的年金等雑所得控除により税金を押さえる事ができます。
必要に応じて掛け金の70%から90%の範囲で借入、借換の更新も行うことができます。
長期加入が前提の制度であるため、加入期間が20年未満の内に解約すると元本が割れてしまうデメリットがあります。
廃業時に受け取るようにすると元本+運用利率(1.5%)を受け取る事ができます。
少し複雑な制度なので、興味がある方は共済特設サイト「共済サポート navi」のお問い合わせから相談してみると良いでしょう。
③iDeCo(個人型確定拠出年金)
iDeCoとは任意で加入する年金制度。
投資商品を自身で選択し、月払いまたは年払いで購入できることから年末でも節税対策が可能です。
国民年金の給付額が足りないと思う方、老後にまとまった資金を用意したい方はiDeCo検討してみるのも良いでしょう。
iDeCoで投資商品を購入した費用は全て所得控除となりますが60歳になるまで引き出せない点に注意が必要です。
早めの情報整理を
それぞれのメリット、デメリットを把握し、自分に合ったものを選ぶことが大切です。
最後までお読み頂きありがとうございました。