フィットネスクラブの回収業務負担を大幅削減し、回収した資金を投資にまわす新サービス「OneNegotiation(ワンネゴ)」

規模や業態に関わらず、利益の根幹となる会費の“未回収分”をどのように回収していくべきか、頭を抱えるフィットネス事業者は数多いだろう。収益改善型オンライン紛争解決サービス「OneNegotiation(以下、ワンネゴ)は、その悩みを解決してくれる画期的なサービスだ。事業者側の現状、サービスの概要や価値・導入事例を開発・提供する株式会社AtoJに訊いた。

  • 株式会社AtoJ
    代表取締役CEO
    森 理俊氏(弁護士)
     
  • 株式会社AtoJ
    代表取締役COO
    冨田信雄氏(弁護士)
     

回収作業の現状と従業員への負担

クラブの退会理由は様々であるが、在籍している間、正常に会費が払われていなかった場合やトラブルを起こしてしまった場合など、その対象の会員に退会してもらわざるを得ないケースがある。そこで未回収分の会費が発生してしまった際、諦めずに回収したいと考える事業者は現状どのような行動をとっているだろうか?

回収担当者は、対象者を未回収リストに加える、対象者に電話をかける、メールを送る、手紙を書いて郵送する、といった業務を行っているはずだ。

利益確保のために大切な業務の1つではあるが、人材不足を経営課題と捉えている事業者において、本来の業務以外に時間や手間を割いていないだろうか。また、本来やりたい業務・やるべき業務とのギャップにより、回収担当者の仕事へのモチベーションを下げ、精神的負担を増やしてはいないだろうか。

回収業務は、弁護士に依頼することもできる。ただ、依頼するための専門的知識の習得にかける時間は増加。また、着手金や訴訟に掛かる費用を考えると、そもそも回収したい金額以上の費用がかかってしまう場合もある。そのようなこともあり、回収自体を諦めてしまう事業者もいるだろう。

弁護士によるワンネゴ開発の経緯

ひとりでも多くの方に司法へのアクセスを提供する“Access to Justice”を理念に、現役の弁護士5名によって、株式会社AtoJ(以下、同社)は2020年に創業された。

破産や海外逃避などが理由の場合、裁判を起こしても未回収金の回収は不可能である。裁判をすれば回収できる未回収金を、裁判をする前に低コストで極力回収できるようにしたい想いから

  1. 法務大臣認証の紛争解決の力
  2. IT・システムデザインの力
  3. スタートアップの力

「この3つを活用し、収益改善型オンライン紛争解決サービス、ワンネゴを開発した」と同社代表取締役CEOの森理俊氏は話す。

 

フィットネスクラブの会費のような、個々で見れば少額ではあるものの、本来のサービスを提供しながらも何らかの理由があって支払われていないという少額未収金の問題は、これまでどうしても司法の世界で置き去りにされていた。サービスを提供する事業者側が泣き寝入りせざるを得なかった現実から、「先ずは手続きに乗る仕組みの構築」がワンネゴのベースになっている。

月々溜まる未回収金を、オンライン紛争解決という仕組みにより、楽々・安心・大量に回収ができるというのが、ワンネゴがもつ価値の1つである。

ワンネゴは、新しい投資をして売り上げを立てるものではなく、埋もれていた未回収金を追加投資ゼロで解消できるサービスで、回収できた場合に成功報酬を同社が受け取るという座組みになっている(なお、トライアル経過後は、システム利用料として月額費用「月額税込6,600円から」が発生する)。

「今年の実績における平均になるが、約25%の未回収金をワンネゴで回収することができた。サービス導入事業者の収益改善に貢献できている」と同社代表取締役COOの冨田信雄氏。

未回収の状況は事業者ごとに様々であるが、ワンネゴのwebサイトでは、月々に発生する債権の件数と1件あたりの平均債権額を入力するだけで、回収し得る未収金を算出してくれるシミュレーションツールも用意している。

業務効率が図れる4つの理由

ワンネゴは、未回収金だけでなく回収に関わる人件費の在り方についても、注視している。リストの更新や未回収対象者に電話をかける・手紙を書くといった業務以外にも、入金時の金額確認や未回収対象者との紐づけ、社内への報告書作成など、月々の回収に仮に50時間をかけていた場合でも、ワンネゴを有効活用すれば、月々20分で完了できるという。なぜそこまで、時理由は大きく4つに分けられる。

1つ目は、未回収すべての案件がシステム上で管理され、一覧表で回収の状況や未回収対象者を即座に把握できる点にある。

2つ目は、未回収対象者の名前・金額・連絡先の3項目を事業者側がシステム上のリストに入力し、リストにある申立てアイコンをクリックするだけで、指定の通知方法を用いて未回収対象者に申立て通知が送られる点。ここでの要所として、通知の作業は、事業者側が行うのではなく、ワンネゴ側で行ってくれるのだ。回収率をより高めるため、メールにおいては、リマインド機能も装備されている。

3つ目は、約25%という回収率の高さにも関与してくるが、未回収対象者はweb画面に表示される選択肢をタップするだけで、応諾・交渉が簡単にできる。支払いの合意に至れば、未回収対象者の選んだ方法でワンネゴ側の口座に預り金として支払われる。月額利用料と成功報酬が差し引かれた金額は、ワンネゴ側から月ごとに、事業者側の指定口座へ振り込みされる。どの未回収金に対してどの支払いがされたかという紐づけ作業は、ワンネゴ側が対応してくれる。紐づけ作業の手間と時間を省けることは、事業者にとても好評をいただけている。

4つ目は、今年8月にバージョンアップした機能の1つである、CSV形式によるダウンロード・アップロードが可能という点になる。既存システムとの連携もでき、とても大きな時間効率化を図れるようになっている。

冨田氏は「回収作業にこれまでかかってきた人件費を最小限に抑えられるというワンネゴの価値は、事業者にとって大きな経営メリットを生み、従業員が本来の業務に集中できるという大切なメリットにもつながる」と話す。

様々な規模のクラブの悩みを解決

サービス提供開始以来、バージョンアップを都度重ね、フィットネスクラブ導入店舗数は既に、200を超える。

9店舗以下と10店舗以上の事業者で、現状や抱えている悩みはそれぞれ異なるという。

9店舗以下のクラブであれば、経営者の管理が全体に行き届いているので、未回収金を何とか回収したいという思いはありつつも、限られた人的リソースから、本業のフィットネスサービスの提供に手一杯であり、管理部分に全く手が回っていないことが多い。

10店舗以上運営するクラブであれば、全体を管理する人員も増えてくるので、自分たちで回収をしようとしたり、裁判所に支払督促を申立てて回収をしようと考えたりする事業者も出てくる。ただ、いくつかのエリアに分かれて店舗運営をしている場合、未回収対象者の居住地が異なってくる。

そうすると、支払督促は未回収対象者の居住地にあわせて各々の裁判所に申立てをしなければいけないという負担がかかってしまうので、本部だけでは管理できなくなってしまう。そこで、自社での回収に切り替える。

ただそこで、様々な負担が発生する。その負担をなくす目的で、ワンネゴをトライアルで導入する事業者が増えてきている。ワンネゴによる回収が著しいということで、自社の従業員に自社での回収努力を改めて行わせたクラブもあった。しかし、ワンネゴを活用した場合と比べて、負担や手間が多かったにも関わらず、その回収率は圧倒的にワンネゴがよく、歴然の差が生まれた。

導入のリアルな声や意見を参考に、これまでバージョンアップしてきたが、より良いサービスとなるよう、今後も事業者との関係を強化していく。

経営基盤の強化・新事業への投資に

発生してしまう未回収金。残念ながら、それは避けて通れない現実であり、事業者自らがそれを回収するには様々なリスクや負担に直面してしまう。

「ワンネゴは、多くの事業者が有効活用いただける、プロの弁護士である私たちが開発したサービス。手間と時間を確実に省けるサービスを通して回収できた本来利益である資金を、現在の経営基盤強化や新しい事業への投資に充てて、本来の価値を高めることに集中してほしい」と森氏。

ワンネゴでは、月額利用料も申立手数料もかからない、3ヶ月トライアルモードを用意。また、導入事例をもとにしたフィットネスクラブにおける活用セミナーを、来年早々に開催する予定である。

これまで回収を諦めていた事業者、回収に負担を感じていた事業者は、追加投資ゼロで様々なリスクを最小限に抑えられるワンネゴを採り入れて、経営課題の解決に役立ててほしい。