世界100カ国以上で販売を行うマシンメーカーの日本法人「ジョンソンヘルステックジャパン株式会社」。

クラウド型総合会員管理サービス「SLIM(スリム)」を提供する株式会社アイ・エス・アイソフトウェアー(ISI)とジョンソンヘルステックジャパン株式会社が提供する「EGYM Cloud」との連携サービスが、2024年6月に国内で初めて提供を開始した。理学療法士がサポートする新感覚のジム「AOI GYM」にて導入され、新しい可能性を見出している。

本記事では、AOI GYM×SLIM×EGYM Cloudの成功の秘訣について、AOI GYMの西永有輝氏、ISIの山下博史氏、ジョンソンヘルステックジャパンEGYMスペシャリストのマスケ スミズ ダス氏(※以下敬称略)、3名へのインタビューを紹介する。

プロフィール

  • 西永 有輝
    学校法人 葵学園 埼玉医療福祉専門学校
    葵メディカルアカデミー 学事課/AOI GYM運営担当
  • 山下 博史
    株式会社アイ・エス・アイソフトウェアー
    ライフプロダクト部 部長
  • マスケ スミズ ダス
    ジョンソンヘルステックジャパン株式会社
    マーケティング&PQM部 主任/EGYMスペシャリスト

革新的なシステム連携への挑戦

———–今回、3社で提携しサービス展開を行っていくことが実現しましたが、経緯について教えてください。

西永:AOI GYMは、医療系の専門学校が運営母体にあるメディカルフィットネスジムですが、業界標準の利便性をお客さまに提供したいという思いが強くありました。現在、日本で有名な24時間ジムなどを含め、スマホ1つで、入会から利用まで完結できるといったシステムが一般的になってきています。この利便性の高さをAOI GYMにも取り入れたいと思いました。

山下:メディカル系のジムでは、その特性上、運営システムよりも運動処方の部分やカルテの管理に特化される傾向が強いです。お客さまも高齢の方が多くなってしまう傾向にあるので、旧態依然とした管理をされているところが多いのも実情でしょう。AOI GYMさんの場合は、理学療法士さんがスタッフとしてサポートされているので、いかに事務処理の負担を減らすかという部分が大事かと思いました。

西永:そうですね。私たちもその部分の取り決めはかなり最初の段階で行いました。AOI GYMでは、専門性の高いスタッフを置くことを強みとしているので、事務処理の時間をいかに少なくして、業務に専念できる環境を整えるかという部分は、重要なポイントでしたね。

マスケ:テクノロジーを活用して、いかにスタッフが会員さまとコミュニケーションがとれるかという部分は、EGYMのコンセプトともリンクしますね。私たちが最初にヒアリングをさせていただいたときに、AOI GYMさんが作りたいジムのイメージとEGYMは合致すると思いました。SLIMさんとの連携もできれば、必ず満足していただける自信もありました。

西永:EGYMを導入して、本当に良かったですよ!お客さまの満足度も高いです。AOI GYMでは8台の導入ですが、充分に対応できていますし、足りない種目はフリーウェイトで補っています。

業務効率化がもたらす顧客満足度の向上

———–システム連携によって、スタッフ目線・お客さま目線それぞれで、解決できた課題はありますか?

西永:スタッフの手間という部分では、かなり削減できました。特にオンボーディングを開始する前の負担がなくなりましたね。入会時にSLIMで情報を登録してしまえば、EGYMにも個人データが勝手に連携されているので、再入力をする必要もなく、そのまま開始できます。スタッフのミスも減ったので、お客さまの満足度も高くなっていると思います。

マスケ:EGYMにパーソナルデータを打ち込んでいくときに、人数が増えることによって、どうしてもヒューマンエラーは発生してしまいます。実際にこういった部分でお問い合わせをいただくケースも少なからずあります。SLIMと連携することによってこういったミスを防ぐこともできるので、ぜひ連携してもらいたいですね。

———–オペレーション上の負担やミスを軽減することで、スタッフは本当にやりたいことに集中できますね。ここがシステム連携の大きなメリットと言えそうですね。では、今後より解決していきたい課題はありますか?

西永:さらに連携を強化させていきたいですね。EGYMの機能もまだ使い切れているとは言えないので、タスク管理やコミュニティボードなども、もっと活用して、よりお客さまに喜んでいただけるサービスを展開していきたいですね。

山下:そうですね。現状では、LINE連携などは、上手に活用していただいていますね。SLIMは、これからも、機能を追加していきます。より便利にお使いいただける機能を出していきますので、ぜひお使いいただければと思います。

マスケ:まだ、EGYMとSLIMの連携は最初のフェーズにあります。次のステップも考えていますので、今後もアップデートしていきましょう。より会員さまにベネフィットのあるシステムを提供でき、ジムとしてもアップセルを狙えるような連携をしていきたいですね。

フィットネス産業のデジタルトランスフォーメーション

———–最後にそれぞれの立場から、実現したい将来像について教えてください。

山下:会員管理システムについて言えば、より「自動化」と「お客さまとのタッチポイントを作るか」という部分が重視されていくのではないでしょうか?AOI GYMさんは専門のスタッフがしっかり指導してくれるジムですが、完全無人というジムが増えているという事実もあるので、コミュニケーションツールとしての役割を担っていく必要もあると思います。会員管理システムは黒子で、表立つものではありませんが、不便なく、滞りなく使えるものであるべきです。基本に立ち返るようですが、ストレスがなくなるシステムというのが、スタッフにとってもお客さまにとっても大切ですね。

マスケ:マシンメーカーの立場であっても、絶対に忘れてはならないことは、「ユーザーの健康的な習慣を作る」ということです。コロナも明け、ジムに通う人たちが増えてきているというデータもありますが、残念ながら継続にはつながっていません。色々と問題はありますが、サポートをしてくれる人がいないというのも大きな要因の一つです。AOI GYMさんのような、システム連携と、しっかりとしたスタッフ対応が組み合わさったサービスを提供するジムが増えてくれば、こういった課題は解決されるのだと考えています。ただ、先ほど山下さんもおっしゃっていたように、24時間の無人ジムも増えていますので、どのような形態のクラブでも、会員の満足度を高める方法を考えなければなりません。ここでキーになるのも、やはりシステム連携なのではないでしょうか。

西永:うちに限らずだと思いますが、私たちのようなフィットネスジムは、良いお客さまに長くいてもらうことが重要だと考えています。AOI GYMのターゲットとしていない人に無理やりリーチして、会員になっていただいても長くは続かないでしょう。そういった意味では、今のところ、AOI GYMの会員さんには、私たちの特徴を理解してお使いいただけていますし、学校法人という自社のシナジーも上手く生み出せていると自負しています。しかし、この業界で長く生き残っていくためには、EGYMやSLIMなどのテクノロジーを活用して、さらに自社の強みを磨いていかなければならないと思います。ぜひ、ジョンソンさんとISIさんにもご協力をお願いしたいです。

山下:ぜひ、お願いします。

———–AOIジムのさらなる成功を後押しできるよう、3社間のシナジー効果も高めていきたいですね。