ホテル、飲食、モビリティ、コーチング―各サービス領域で「ハイエンド対応」が静かに広がっている。

フィットネス・ウェルネスでも都内を中心に高価格帯のクラブが相次ぎ開業し、特定の層から熱量の高い支持を集めている。この潮流を「価格を上げた一部の事業者の話」として片づけるのは、おそらく早計だ。

その背景には、富裕層に限らずあらゆる顧客層に共通する、もっと根深い欲求が潜んでいるように思う。

それは何か。そして、ぼくたちフィットネス事業者はそこにどう応えていけばいいのか。今号では、この問いを少し丁寧にほどいてみたい。

◆ハイエンド化は、ひとつの領域だけの話ではない

海外ではだいぶ前からその傾向が伺えるのだが、このところ、日本でもそれが顕在化しつつある。事業者のハイエンド対応である。

フィットネス・ウェルネス領域でも、都内を中心にハイエンドのフィットネスクラブが複数オープンし、対象となる生活者の間で静かなブームとなっている。同様な傾向は、他のサービスセグメントでも伺える。例えば、次のような事例が挙げられる。

・ホテル・宿泊:アマンリゾーツに象徴される「超少数・超没入」型が日本でも定着。1泊100万円超でも満室が続く。それに次ぐブティックホテルも人気で、「価格で人を選ぶ」設計が伺える。

・飲食:カウンター10席前後のオーナーシェフ店が、ミシュラン獲得後に価格を上げても予約が取れなくなる現象が続く。「希少性が価値を生む」循環が伺える。

・航空・モビリティ:JALやANAのビジネス・ファーストより、NetJets型のプライベートジェット会員権サービスが伸びている。「時間と空間を買う」という価値観が伺える。

・教育・コーチング:エグゼクティブ向けコーチングが月30〜50万円でも需要過多。「パーソナルな関係性と成長実感」への投資には上限がない。

こうしたハイエンド志向を好む消費者の深層には、何があるのか。そこを明らかにすることは、これから事業をデザインしていく関係者―とりわけフィットネス事業者にとっては、とても重要になるのではないだろうか。

◆「プライベート重視」の裏にある、承認とつながりの欲求

ぼく個人の見立てはこうだ。おそらくそうした消費者は、プライベート性を求めながらも、実は心の奥に、強い承認欲求や人とつながりたい欲求―裏返すと、孤独感を和らげ、落ち着きたいという欲求があるのではないか。

スタッフの接客対応がフ