ルネサンスが 、全国で 24 か所のアウトドアフィットネスクラブやパークPFIをプロデュースし、それらの施設を直営または運営受託で展開しているビーチタウンを買収し、アウトドア関連事業を強化していくという発表がありました(関連記事はこちら)。

コロナ禍のフィットネスクラブ経営として、アウトドアでのフィットネスサービスは、デジタルを活用したホームフィットネスサービスや子ども向けスクールサービスなどとと並んで、今後とても有望であり、今回の買収―というより両社の合意と言った方が本来はいいのかもしれません―は、たいへん合理的な経営判断であり、さすが斉藤会長だなと思いました。

BEACHTOEN社買収によるルネサンスのメリット

ルネサンスとしては、以下のメリットがあるのではないかと思います。

  1. アウトドアフィットネスの拡充
  2. 地方創生事業の促進
  3. 地域活性化

1.アウトドアフィットネスの拡充

一部のスポーツクラブにおいて、周辺の公園や自然を利用した「ノルディック ウォーキング」「ランニング」「パークヨガ」などのプログラムを提供したり、「ルネサンス アウトドアフィットネス」として、屋外や開放感のある施設でヨガやボルダリングなどを行うアウトドアフィットネスを提供していましたが、これらをさらに拡充できます。

特に、フィットネスは入会直後~およそ半年間にどれだけ価値を感じていただくことができるかが、その後の継続利用~LTVの向上に影響します。

そのため、この期間に「アウトドアフィットネス」というコンテンツを活用して価値提供できるようになることは大いにメリットがあるのではないでしょうか。「クラブインクラブ」として、コミュニティ化のドライバーにもなるのではないでしょうか。

エクスペリエンスあふれる有料イベントを企画し提供することもできるでしょう。さらには、そうしたアクティビティを通じて、現会員に近い知人・友人が、新たに新規会員になってもらえる可能性もでてくるかもしれません。

2.地方創生事業の促進

ルネサンスは、フィットネスクラブ事業だけではなく、介護リハビリ施設などの運営及び企業・健康保険組合の健康づくり支援や全国の地方自治体の介護予防事業、地方創生事業を受託するなど、健康分野におけるサービスを幅広く展開しています。

今後も官民問わず「健康」領域に広く事業展開していく方針がありますが、ビーチタウンの買収によって、地方創生事業において、健康で活気のあるまちづくりを推進するサービス事業への取り組みをより一層強めていくことができるメリットがあります。

すでにルネサンスは地域健康推進部内に PPP(Public-Private Partnership)チームを立ち上げ、今後積極的にPFI 事業を獲得していく方針を表明しています。今回のビーチタウンの買収は、その足掛かりとしても 大きな意味をもちます。

パークPFI(2017年の都市公園法改正により新たに設けられた、公園の魅力と利便性の向上を図るために、公園の整備を行う民間の事業者を公募し選定する制度)事業への取り組みも広がりそうです。   

3.地域活性化

アウトドア関連のコンテンツの提供を通じて、地方のスポーツ人材や地方の地域社会・経済を活性化(創生)に貢献できることで、人や地域とのつながりを強められるメリットもあります。

ポストコロナでは、都心より地方へ、大型店から小型店へ、施設からコンテンツへといった流れが強まることが予想されるので、今回の方向性は、こうした流れにもフィットするものと思います。

『Fiitness Business』や『月刊NEXT』などのメディア事業を手掛ける当社も4月から、フィットネスクラブと協業したアウトドアスポーツのイベント開催をサービス事業化していく予定です。

フィットネスクラブが、これから「カスタマーサクセス」や「カスタマーエンゲージメント」をより重視した経営・運営をしていくことが求められるなか、今回のニュースにあったような取り組みは、ムーブメントの一つになっていくように思います。