Kuru-Lab株式会社(以下、Kuru-Lab)は2020年2月に熊本県合志市(こうしし)にフィットネス&コミュニティコレカラダ(以下、コレカラダ)をオープン。健幸都市の実現を掲げている合志市と密に連携を取りながらクラブを運営し、地域貢献に力を入れている。新型コロナウイルス(以下、コロナ)の影響で毎年恒例の大規模ウォーキングイベントの開催が中止となったが、からだステーションを活用してバーチャルイベントの開催に成功。その参加者を入会にもつなげられている。

  • 木船祐樹氏
    Kuru-Lab株式会社 フィットネス&コミュニティ コレカラダ
  • 高橋直人氏

    株式会社豊通オールライフ ヘルスケア事業部 からだステーションG

フィットネス初心者が通いやすいジムを熊本にオープン

’20年にオープンしたコレカラダは、健幸都市こうしの実現に向けた連携協定のもとに立ち上がった。その連携協定に加盟しているのが合志市、熊本大学、日本ユニシス株式会社、株式会社ルネサンス、そしてKuru-Labだ。

産学官が連携をし、地域全体をいかにして健康にしていくか、いわば実証実験の場という意味合いも含めて「コレカラダ」と命名された。

「コレカラダに通われている人の約7割がフィットネスジムの経験がない会員さまです」と木船氏は語る。

会員さまは50~70代の中高齢者が大半を占める。ジムとスタジオを用意しており、多くの会員さまがスタジオレッスンを楽しんでいる。

地域と連携することで、初心者の方がジムに通い始めるハードルを極限まで下げることができた。その裏にはからだステーションの活用も関係している。

地域の人たちへ運動の楽しさを知ってもらう秘訣

運動の楽しさを知ってもらうために必要なことは2つある。1つ目は自分の成長や変化を実感し、楽しむことだ。

それを可能にしているのが、会員サポートシステム「からだステーション」だ。会員さまはオプションとして月々1,100円支払えば利用可能だ。

主な活用方法はタブレットやスマートフォンの専用アプリや専用ウェアラブルで自分の身体データの記録と運動記録だ。身体については体組成計、血圧計と連携する仕組みで、体型の推移グラフを見ながら変化を楽しむことができる。スタッフはそのデータを参照でき、適宜アドバイスを行うこともできる。なかには半年で5kgもダイエットに成功した会員さまもいるそうだ。

その会員さまは「無理な運動や食事制限をするわけではなく、こんなに運動を楽しみながら痩せられる経験は初めてで感動しています」とご満悦だ。

2つ目はランキング表示だ。自身の歩数や消費カロリーなどの活動量を会員さま同士でアプリ内で競うことができる。さらにからだステーションのプッシュ通知機能を活用し、毎週土曜日にランキングの途中経過を会員さまに告知した。それが運動の習慣化・モチベーションアップにつながっている。ここからさらに、新しいからだステーションの活用方法が生まれた。

バーチャルイベントを開催するからだステーションの新しい活用法

そもそも、からだステーション導入のきっかけになったのは、合志市で毎年行われる2,000人規模のウォーキングイベントがコロナで開催できなくなってしまったことだ。

「市民の健康的な生活のために何としてもウォーキングイベントを開催したい。大人数が一箇所に集まらなくても開催できる方法があるのではないか」と考え、白羽の矢が立ったのだ。

システム内で3ヶ月のイベント開催期間を設け、一定の歩数を歩くミッションをクリアすれば抽選で賞品がもらえるというイベントを開催した。歩数のランキングで上位を取ろうと参加者は躍起になったそうだ。バーチャルウォーキングイベントの実証実験は見事に大成功した。

このイベント参加をきっかけにコレカラダに入会される人もいれば、からだステーションだけ継続利用される人もいるという。

後者に向けて、コレカラダは「からだステーション会員」という月々1,100円の会員種別を設けており、ジムを利用しない人からも収益を得られる新たなビジネスモデルにも乗り出している。

また、今後もからだステーションの多様な機能があるからこそ実現できるバーチャルイベントを計画中だ。「ICTツール」と「人と人とのつながり」の両軸で付加価値を提供できる素晴らしい試みだ。地域全体を健康にする新たなイベントが今から待ち遠しい。