オープン戦の中止に始まり、開幕の遅れとシーズン短縮、無観客開催、変則日程と新型コロナウイルス禍(以下、コロナ禍)に翻弄された2020年シーズンのプロ野球。今シーズンも延長戦なしの特別ルールが導入され、前代未聞のペナントレースが展開されている。三浦大輔新監督のもと、連日奮闘を見せている横浜DeNAベイスターズ(以下、ベイスターズ)では、ウイルス対策の切り札としてウシオ電機株式会社(以下、ウシオ電機)のCare222®iシリーズを導入。かつては選手としてもプレーし、現在は1軍運営グループのグループリーダーとしてチームを支える西崎伸洋氏に話を訊いた。

西崎伸洋氏
株式会社横浜DeNA ベイスターズ チーム統括本部 チーム運営部 一軍運営グループ グループリーダー

いち早くプロジェクトチームをつくりウイルス対策をマニュアル化

コロナに関する報道が本格的に出はじめたのは、昨年、沖縄県宜野湾でのベイスターズ春季キャンプが始まった2月。例年、その時期はインフルエンザ対策に最も気を遣うが、チームが沖縄入りしたときに、ダイヤモンドプリンセス号が沖縄に帰港中であった。

「そのときはまさかここまでの騒ぎになるとは思いませんでした」と西崎氏は話すが、今後はインフルエンザ以外のウイルス対策も必要になるのではと話し、早い段階でウイルス対策のプロジェクトチームが立ち上げられた。プロジェクトチームは球団代表をはじめとして6〜7名で構成された。チームの主治医にもアドバイスをもらい、保健所や他球団の担当者にも相談し、NPB(日本野球機構)のガイドラインにも沿いながら、ベイスターズ独自のウイルス対策マニュアルを作成した。

クリーンなロッカールームを保つためCare222® を導入

「対策の中で最も注意したのはロッカールームですね。そもそもロッカールームは扉が2枚しかなく、換気をしようにも風通しがとても悪いのです」と西崎氏は当時の心境を話す。

フィットネスクラブにおいても、ジムエリアは比較的に除菌対策が進んでいるが、意外と手薄になっているのがロッカールームではないだろうか?会員さま同士の会話を制限する対策を取るジムは多いが、完全に徹底させるのは難しいであろう。プロ野球チームにおいては、ロッカールームでコミュニケーションを取らないという選択肢はない。試合前、試合後の打合せは勝敗を大きく左右する。選手たちは1日に4~5時間もの間、ロッカールームで過ごすという。

そこで導入されたのが、天井に設置するだけで、紫外線によって除菌を行う機器『Care222®iシリーズ』だ。日焼けや皮膚ガンといった人体に悪影響を及ぼさない紫外線をコロンビア大学の教授が発見。もちろん、科学的にウイルスを除去できることが実験を通して証明されている。このライセンスの独占使用が認められ、技術開発を実施し実用化しているのがウシオ電機である。

「チーム内からは除菌機器の導入はエビデンスがしっかりあるものを、という声がありました。そういった中で球団の事業部からCare222®を紹介され、機器の説明を受けたときに自分でも納得し、ぜひ設置していただきたいとお願いしました」

これらが決め手となり、ベイスターズでも導入された。今後はロッカールームのみならず、特にミーティング室、監督・コーチ室やファーム施設への導入を拡大していきたいと考えている。

今後はジム内ロッカールームのウイルス対策の救世主に

ロッカールームに紫外線を照射することで除菌効果を発揮するため、フィットネスジムでも導入可能。何よりも、施設のクリーンな環境維持が、今後は最重要になるであろう。「試合や練習でスタジアムを利用する日は私がスタジアムに入った後、機器のスイッチを入れています。その後は自動運転に任せており、あとは帰り際にスイッチを消すだけですので、管理コストも少なく助かっています」と西崎氏は満足げに話す。

ベイスターズの先行事例を、是非とも見習いたいものだ。