2022年6月22日〜24日(現地時間)、IHRSAコンベンションがアメリカ・マイアミにて行われ、アメリカ、イギリス、イタリアをはじめとする世界のフィットネス業界のリーダーたちが集った。本稿では、主にアメリカのフィットネスクラブの回復状態や、成功しているクラブのベストプラクティス、また、入会者の傾向や中長期的に成長が見込まれる業態やサービスをまとめ、日本のフィットネスクラブの回復と再成長に向けたヒントを提示する。

規制を撤廃したクラブほど回復が早い

世界的には、マスク着用やソーシャルディスタンスの確保(ジム、スタジオの人数制限)などの規制を早く撤廃した地域のクラブほど、業績の戻りも早い。さらに、規制が長引くほど業績の戻りにも時間を要することがわかっている(アメリカでは、州が民主党派か共和党派かで、クラブの再開時期が遅れ、業績の戻りにも影響が出ている)。

現在、アメリカ、イギリスの多くのクラブでは、マスクの着用はなく、スタジオの人数もコロナ前と同様の運営となっている。マイアミビーチに構えるクラブ(Equinox、Crunch、Circuit Academy)では、誰1人としてマスクを着用しておらず、スタジオの人数制限もない。

アメリカのダメージ、深刻

日本のダメージはまだよいのかもしれない。IHRSAの国際責任者であるアリソン氏によると、アメリカのクラブの25%は永久に閉鎖、ブティック系は30%が閉鎖に追い込まれ、総合型クラブ以上にブティック型クラブで打撃を受けた。その背景には、総合型クラブの方がリソースやアセットが豊富なため、施策の選択肢があり、適切な行動を取りやすかったことが挙げられる。

在籍について、ラウンドテーブルを主宰していたトック氏によると、ラウンドテーブルメンバークラブは85%、優良なクラブは120%、まだ回復していないクラブでは60%ほどだ。また、30ドル以下のバジェットクラブは、ほぼ回復している。

さらに、この業界の重鎮で長老のリック・カロー氏による見解は以下の通りだ。

これらに対し、クラブ経営者は、ファクト、データを経営者同士で頻繁に交換し、リーダーが迅速に意思決定している。

さらに、デビッド・ミントン氏によると、イギリスでは、東京同様、都心部(主にロンドン)の影響が大きく、例えばフィットネスファーストでは、50%程度の戻りだという。その一方で、郊外は110%の在籍