会社の望む働き方ではなく、自ら働き方をコントロールできる技術や能力をもった人物の育成に力を入れる遠藤一佳氏による連載。トレーナーが自身のジムをもつためのポイントについて、1年を通して解説。今回は、出店場所について取り上げるほか、業界への導入が進むオンラインフィットネスについても述べる。
大切なのは「リアルかオンラインか」ではない
今回は「自分のジムをもちたい」と考えている人を対象にメッセージを送ります。前回は「誰が教えているのか(社員トレーナーなのかアルバイトスタッフトレーナーなのか、または有資格者なのか無資格者なのかなど)」「何を教えているのか(世の中で認められている普遍的な医科学なのか、得体の知れない疑似科学や独自のメソッドなのかなど)」「個別なのか、少人数なのか、大人数なのか」「フリー利用なのか、スクール制なのか」「何分のプログラムを提供するのか」「オンラインで解決するのか、リアルの場で解決するのか」といったことに信念がないクラブが大半であると述べました。
多くのクラブがなんとなく「運動の場」を提供しているだけなのが現状です。後述もしますが、現在、オンライン指導への進出が目立ちます。このとき、「リアルが難しいからオンラインでいこう」という考え方では必ず失敗します。「オンラインでこそ、お客さまに成果を提供できるんだ」という信念がない限り成功することはありません。大切なのは「リアルかオンラインか」ではないのです。「解決法に対する信念の問題」です。
「どこに出店するか」の考え方
今回は「どこに出店するか」について述べます。なお、このタイミングで記したいことがたくさんあるため少し短めにまとめますが、ご了承ください。
トレーナーやインストラクターが出店するときにまず私が最初に言うことは「地元」です。言い換えるなら「自分が愛着をもてる場所」「自分が知っている人が多い場所」です。スモールジムの会員数は80~100名、極端にいえば100名の知り合いがいればそれだけでビジネスになってしまいます。実際、今、スモールジム協会が開業支援をしている方も地元での出店になるのですが、友人やその家族だけで30名ほどのお客さまを見込めるということです。これでいいのです。見ず知らずの土地に、見ず知らずの人が着任して、見ず知らずの人を顧客にする。このような方法は過去のものです。これからのビジネスは「超大きいか