カイザー・パーマネンテ※の過去のデータに遡った観察研究によると、新型コロナウイルスに感染する前に身体活動ガイドラインを常に満たしていた人は、死亡する確率が約2.5倍低いことが明らかになった。
※アメリカの三大健康保険システムのひとつである健康維持機構で最大の組織
備考:この報告がされて以降、米国疾病対策センター(CDC)は、新型コロナウイルスによる重症化のリスクが高い18歳以上の人々に対して、基礎疾患のリストに身体活動不足を追加した。
新型コロナウイルスの流行は、人々の生活の多くの自由を奪った。初期の研究では、高齢者と非感染性疾患(NCDs)にを基礎疾患にもつ患者が、入院や集中治療室(ICU)への入室、死亡の最も高いリスクにあることが示されていた。
しかし、日ごろの運動が、NCDsの発症を大幅に減少させ、免疫機能を高めることが分かってきている。
カイザー・パーマネンテの医師であるロバート氏は「私は長年、家庭医として、運動が患者の健康と幸せな生活に役立つことを身をもって体験してきました。実際、診療で出会うほとんどすべての病気において、「運動」は私が処方できる最も効果的な手段であることが分かっています。そのため、定期的に運動をすることで、新型コロナウイルスの重症化リスクを劇的に減らせる可能性が高いと感じました」と運動と疾病の関係について言及している。
理論の検証:運動は新型コロナウイルスの重症化リスクを軽減する
ロバート氏は研究グループを率いて、新型コロナウイルスに感染する前に、国の推奨する身体活動ガイドライン(中等度~高強度な身体活動を週150分以上)を継続して満たしていれば、成人ではより良好な結果をもたらすという仮説の検証を行った※。この調査は、カイザー・パーマネンテで実施され、