どうしたらかつての会員は戻ってきてくれるのか? ポストコロナにおいて新しい顧客を惹き付けるにはどうしたらいいのか? 今、多くのクラブがこの悩みを抱えていることだろう。そこでCBIでは、IHRSAメンバーである3社に対して、新型コロナウイルス禍(以下、コロナ禍)前までは通っていてくれた会員、そして現在も通い続けてくれている会員、さらに潜在顧客に対してどのような取り組みをしているのか、取材した。

コロナ禍のマーケティング戦略

1.安全性と清潔さ

コロナ禍、多くのクラブが休業要請に迅速に対応した。そして休業期間中は、オンデマンドプログラムやバーチャルクラス、FacebookやInstagram、Twitterなどのソーシャルメディアを活用し、会員の関心と信頼をクラブにつなぎとめようと努力していた。施設においても、新型コロナウイルス(以下、コロナ)の感染拡大が始まった当初から、感染予防対策やワークアウトエリアの運用変更などについて、会員への情報共有を第一優先で取り組んだ。

「会員、そしてこれから会員になってくれるかもしれない潜在顧客のために、感染予防を徹底して安全性を高めることにフォーカスしました。そして、メールやSMS、ソーシャルメディアなどを使って、当クラブがどのような安全対策を実施しているか、常に伝え続けました」(West Wood Club アラン・リーチ氏)

ちなみにリーチ氏は、フィットネスマーケティングについて、世界的に講演も行う専門家だ。さらにFitnessFormula Club(以下、FFC)の設立者でありCEOを務めるゲイル・ランダーズ氏も自社のマーケティング戦略について「自身の健康を維持または改善したいすべての人々に向けて、当クラブは安全・安心、清潔で広々とした空間であるということを中心にアピールしています」と語る。

米国疾病予防管理センター(CDC)や州、地域のガイドライン以上の対策をとることに努めるFFCでは、当然のごとく来館者にも協力を依頼しており、同社の新しい会員規約には、次のようなことが記されている。体調がすぐれないときは外出しないこと、必要な場所ではマスクを着用すること、ソーシャルディスタ