株式会社オカモト(以下、オカモト)は、北海道エリアでJOYFITを運営している。24時間ジムでありながら、スタジオも併設。キッズスクールも提供しており、新たに成人向けにもスクールの提供をスタートさせた。afterコロナにおいてスタジオエリアの有効活用が課題となっていたが、予約・決済・会員管理システム『hacomono』を導入したことで、経営を健全化する新たな活路が見出された。すでに同システムを導入しているクラブにとっても、より効果的な活用方法のヒントが得られるだろう。

  • 株式会社オカモト
    JOYFIT 札幌テリトリー4テリトリーマネージャー
    JHC-NORTH運営部 第3エリア アシスタントシニアマネージャー PPP担当
    金山良平氏

コロナをきっかけに変わったスタジオエリアの在り方

コロナ前、スタジオレッスンには気軽にいつでも参加でき、かつ定員いっぱいまで入れることも当たり前であった。しかし、コロナ以降では、ソーシャルディスタンスを保つことが求められ、今までの半分弱の人数しかスタジオに入れなくなってしまった。

「最初、フロントにてスタジオレッスンの参加予約を受け付けるオペレーションを行ってきました。しかし、店舗になかなか足を運べない方もおり、不平等さが浮き彫りとなりました」と金山氏は説明する。

そこで、まずは無料で利用できる予約システムを導入。しかしすぐに、実現できる業務効率化の限界に直面する。予約自体はシステム内で完結できたが、そのあとのインストラクターへの情報共有や管理業務に、想定以上に時間を要することがわかった。

従来のシステムからhacomonoへ移行したわけ

金山氏は、現状を変えるべく、hacomonoの導入を決意(北海道内JOYFITのみ)。有償かつ、システム移行にも労力が掛かるが、それでも導入に踏み切った理由はどこにあるのか?

「まず、導入後の手厚いサポートが魅力的ですね。細かな要望にも耳を傾けてくださり、可能な範囲であれば機能改善をスピーディーに行ってくれる点です」と金山氏は言う。

さらに、こう続ける。

「次はずばり、充実した決済機能がある点です。この機能があることによって、スタジオレッスンの有料化をスムーズに実現できました。既存の決済システムとの兼ね合いもありますが、利便性が高いため、今後は月会費や物販といった別の請求業務もhacomonoに統一するべきかという議論が社内で挙がっているほどです」と太鼓判を押す。

プレミアムプランを追加し顧客のロイヤリティアップに成功

すでにhacomonoのシステムを導入しているクラブは多いが、昨年10月より同システムの利用を開始したJOYFITはユニークな使い方を行い、1つのスタジオにつき、毎月十数万円の収益アップを実現している。

「スタジオレッスンへの参加予約を事前に行いたい場合のみ、hacomono経由で申し込みを可能にしています。この場合、300円や500円といった料金をお支払いいただきます。こうすることで、月会費以外の売り上げを生み出せました」と金山氏は明言する。

「一方で、無料でスタジオレッスンに参加したい場合は、あえてhacomonoを使わず、従来通りのアナログな方法で受付しています。つまり、スタジオの前に参加15分前くらいから並んでいただき、順番にご入室いただく方法です」。これが可能な理由は、システムでスタジオ内の位置まで指定できるためである。例えば、飛行機の座席はファースト、ビジネス、エコノミーという区分がされているが、DX化によって見た目は1つのスタジオであっても、有料と無料エリアの線引きが可能となったのだ。

「会員さまは、『時間をお金で買う』という行動をとるようになりました。有料であっても、レッスンの開始寸前までジムエリアでトレーニングをされたいという方が多く、今ではスタジオの定員のうち、約半分はプレミアムプランを選択するロイヤリティの高い会員さまとなっていただけました」と金山氏は胸を張る。

すべてをデジタル化するのではなく人の魅力を融合させた施設へ

確かに、すべての業務をデジタルで代替できるのであれば、経営効率を極限まで高めることができるだろう。しかし、JOYFITが目指す場所は、そこではない。

「私たちのテーマは、人の温かみを残しつつ、利便性を高めることです。両極端を目指すのではなく、バランスが大切だと私は思っています」(金山氏)

スタジオレッスンは引き続き対面(リアル)にこだわる。ただ、インストラクターがレッスン以外に時間を割かなければならなかった業務については、hacomonoで大部分をカバーできた。そうすることで、より多くの時間をレッスンにだけ割くことができ、スキルアップに寄与している。

「こうした背景も重なり、JOYFITとしては今後、大人向けのレッスンプログラムを伸ばしていこうと思っています。ニッチながらも引き合いの強いコンテンツがあれば、お客さまは喜んで通ってくださります。実例もでてきました。このようなコンテンツを皮切りにコミュニティを形成し、人とのつながりを強化していきたいと思います」

今後もhacomonoと共にJOYFITの目指す施設づくりに取り組んでいく。