株式会社ルネサンス(以下、ルネサンス)の業務効率化による時短術について詳しく紹介したのは記憶に新しいだろう(Fitness Business通巻第123号P112参照)。その中でも触れた、「忘れ物管理アプリ」が読者より好評であったため、本記事ではそこにだけスポットライトを当てて紹介する。毎日多くの人が出入りするフィットネス施設において、この業務を簡素化できることは、スタッフも会員も嬉しいはずだ。Platio(プラティオ)というノーコードツールがこれを実現。今までの常識を覆すほどの技術革新が起きている。
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株式会社ルネサンスビジネスリレーション部 主任橋本みなみ氏
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株式会社ルネサンス両国店 フロントチーフ立川真衣氏 ※※導入当時
エンジニアでなくとも簡単にアプリを作れる時代に
「あなたは、webシステムやアプリの開発経験がありますか?」
フィットネスクラブで働く読者に、まず問いたい。恐らく、ほとんどの人の答えは「No」だろう。小難しいコードを入力していくことで、思い通りにパソコンやスマホなどの端末を動かす仕組みを作ることがプログラミングであるが、必要となる専門知識が多く、フィットネス業界においては特に稀有なスキルである。
だが、安心して欲しい。もう難しいプログラミング言語を覚えなくても、アプリは作れる。はっきりと断言できる。アステリア株式会社(以下、アステリア)が提供する業務アプリ作成ツール「Platio」があるからだ。
この類いのサービスはノーコードと呼ばれ、読んで字の如く「コードを書かなくてもアプリが作れる」ことが最大の特徴だ。2017年のサービスリリース以来、業界や会社規模に関わらず多くの企業に導入されている。例えば、京セラや松屋もそのうちの1社で、B to B向けのノーコードサービスとしてPlatioは現場のDX推進に貢献している。フィットネスクラブ大手のルネサンスにも業界に先駆けて2021年より導入され、忘れ物管理業務の大改革に貢献し続けている。
忘れ物を紙台帳で管理することがどれほどの業務負担なのか
それでは、従来の紙台帳で管理する方法が、いかに非効率的だったのか、当時両国店にてフロントチーフを務めていた立川氏はこう述べる。
「忘れ物は平均すると1日に10~20件も発生します。これが100店舗以上で発生すると、膨大な業務量となるのは想像に難くないと思います。さらに、忘れ物の大きさや色・柄などは、記入するスタッフの感覚に依存しているので、紙台帳の管理では情報の入力ルールの統一に難しい部分がありました。
また、忘れ物を探すためにお客さまをお待たせする時間が長く、満足のいく対応ができていないと現場と本部の認識が一致していました」
この業務の改善に選ばれたのが、Platioというわけだ。
忘れ物管理をデジタルで管理する場面別の強み
①忘れ物の発見と情報の入力
まず、落とし物を発見した場合に必要となる作業が入力だ。今までは紙に文字で記入する必要があったところを、デジタル化することでタブレット上の選択肢から選ぶことができるようになった。さらに、色や形も写真を撮影して登録することで、誰でもパッと見で特徴がわかるようになった。
②会員からの問い合わせ
忘れ物に心当たりがある会員がフロントへ訪れたとき、紙台帳を隅々まで確認し、該当の品物を探し出す必要があった。それが、タブレットでキーワード検索や日付・場所を指定するだけで、簡単に候補となる品物を見つけ出すことができるようになった。ここが一番の時短ポイントである。
しかも、記録された写真で会員の持ち物かどうかを確認するので、渡し間違いの防止にも大きく寄与している。
③品物の引き渡し
フロントに問い合わせに来た会員が忘れ物の持ち主とわかれば、初めてバックヤードへ該当の品物を取りに行く。従来であれば、確認のために候補となる現物を持ち出す必要があったため、ここでも業務がスリムになっている。あとは、忘れ物を受け渡したことをタブレット上に署名してもらえば、完了となる。
ルネサンスでは、すでに全国100店舗以上で本アプリを導入。現場からも「使いやすい」と評判で、数字としても毎月最大550時間の業務時間短縮を実現している。
忘れ物管理アプリ開発者に訊く Platioの直感的な操作方法
忘れ物管理アプリを開発したのは、ルネサンス全社の業務効率化を担うビジネスリレーション部に所属する橋本氏。同氏も多くの読者と同様に、アプリ開発の経験は全くなかった。その橋本氏でも、ほんの数分Platioを触ったのちに、「これなら私でもアプリを作れるかもしれない」と悟ったという。
実際、橋本氏が初めてPlatioを操作してから、わずか3日でアプリが完成し、アプリの実証実験を行う店舗として選ばれた両国店に導入された。
「両国店に試験的に導入したのちに、現場スタッフからヒアリングして仕様をアップデートしていきました。ボタンの配置や色の変更など、必要となる操作はドラッグ&ドロップで直感的に行うことができ、進めていくうちに私も楽しくなっていきました」と橋本氏は言う。
Platioには「日報」「進捗管理」「遺失物管理」といった目的別に、100種類以上のテンプレートを用意している。
それらを活用することで、さらに簡単にアプリ開発ができる。
「アプリの仕様でこだわったのは、入力時の業務負担削減のために、選択肢から選ぶだけのオペレーションを実現した点や、対応が完了した忘れ物をグレーアウトさせる点などです」と橋本氏は付け加える。このように少々複雑な機能であっても、アステリアのスタッフと相談しながら進めることで実装できたという。
導入に迷いが生じないほどの驚愕のコストパフォーマンス
少なく見積もっても、毎日ルネサンス全店舗では700件以上の忘れ物が発生している。それは、どう考えてもゼロにすることは難しい。ただ、その対応業務は、たったの3日間で作成したアプリのおかげで、毎月最大550時間もの業務を削減できている。
これだけのメリットがあれば、Platioの導入に掛かるコストはかなり高額をイメージするかもしれないが、実際は表が示す通りである。一般的なアプリ開発の外注と比較して、スピードもコストも圧倒的な優位性を誇る。
この破格の料金で、毎月最大550時間の業務時間を圧縮できるのなら、導入しないわけにはいかないだろう。
その他の管理業務も順次デジタル移行を予定
今回、ルネサンスでは忘れ物管理アプリを導入したが、今後も紙台帳での管理業務をデジタル化し、さらなる効率化を図っていく予定だ。
あなたの施設にも改善したい業務があれば、まずはアステリアへ相談してみたらどうだろうか?