ドリコスが資金調達を実施し、ティップネスへも順次拡大中 

  • 太田秀昭氏
    株式会社ティップネス
    ティップネス駒沢大学
    支配人

ティップネス駒沢大学は、FitnessBusiness 通巻114号のNice Clubにて紹介した注目の施設。オープンから約2年経つが、充実したジムエリアやサウナ、低酸素ジムなどが商圏の人たちから人気を集め、順調に運営している。そのなか、ドリコス株式会社が手掛けるオーダーメイドサプリメントサーバー「GRANDE」を2023年3月より本格導入。今回は、店舗運営の経験も長く、現在は同店で支配人を務める太田氏に、その魅力や会員の行動変化について話を訊いた。

コロナ禍でオープンも多方面で話題を呼ぶ施設に成長

2021年3月にティップネス駒沢大学が営業開始した当初から支配人を務める太田氏。まずは率直に、現在の運営状況を訊いた。  

「事業計画通りに2年間推移しており、収益化を実現できています。コロナ禍がいつ終わるのか、全く見通しが立たないなかでの開業でしたが、3月13 日にはマスクの着用が任意になり、来たる5月8日はコロナが第5類に分類されるとなると、いよいよフィットネス業界全体としても追い風になるのではないかと思っています」

この2年間の変化としては、会員属性の比率。どう変化したのだろう?

「ジムエリアは24時間使えますし、フリーウェイトエリアだけで50坪と広いので近隣でも注目されるようになり、男性の会員さまが圧倒的に増えました。加えて、オートロウリュのサウナもあり、『ととのう』を求めて入会される人もいらっしゃいます。最近、サウナの専門メディアにも取り上げられたこともあり、サウナ愛好家の人にも一目置かれているようです」と太田氏は説明する。

サプリメントサーバー戦国時代になぜGRANDEを選んだのか

コロナ禍であっても、これでもかと言うくらい充実した設備を整え、成功を収めているティップネス駒沢大学だが、2023年3月よりドリコスが提供する「GRANDE」を導入し、さらに設備をパワーアップした。商品やサービスの真しんがん贋に常に目を光らせている太田氏の目に留まったのは、なぜなのだろうか?

「展示会や日々の情報収集でもそうですが、いつかはサプリメントサーバーを導入したいと思っていました。あとは、いつ、何を導入するのか、という意思決定だけでした。そのなか、オーダーメイドという先進的な取り組みをされているドリコスさんにならお願いできそうだと感じたのです」太田氏は、さらに続ける。

「お客さまにご利用いただくまでのストーリーが思い描きやすかったのです。会員さまの多くは、すでに何かしらのサプリメントを愛用していました。つまり、それを『GRANDE』で代替しなければいけないわけですが、そもそもサプリメントで本当に自分が必要な栄養素をしっかり計算して摂取できている人が、どれだけいるでしょうか? 身長・体重・性別、食生活などによって、適量の個人差が大きいにも関わらず、大体のサプリメントは『1日3錠』などと決まっています。これの不合理さを提起するだけでも、会員さまは『確かに』と納得してくださり、利用に結び付けられています」

上記のようなプレゼンをしつつ、2月から試飲会を実施。申込者にはシェイカーもプレゼントし、販促につなげている。

施設の支配人自身が出勤日には必ず愛用する

獲得したバッジや累計利用回数、サプリメントの総摂取量などがスクリーンで確認できる

GRANDEの一番のヘビーユーザーは、ひょっとすると太田氏かもしれない。どのような点が気に入っているのだろうか?

「オーダーメイドの点をもう少し深掘りすると、不定期でAIが質問をしてくれるんです。それに対して答えると、回答結果を基にサプリメントの調合を自動で変えてくれるんです。ここだけの話、もう100回は飲みました(笑)そういう節目のときは、バッジが受け取れる仕組みになっていて、ゲームのような体験ができるのもいいですね」

お気に入りポイントはこれだけに留まらない。

「そもそも美味しいんです。今はパイン味とマスカット味があるのですが、どちらもイケますね。意見が分かれますが、私は粉末だけ出てくるからこそいいと思っています。理由は、水の分量を自分好みにすることで、味の濃淡を調整できるからです。さらに言うと、うちは水素水もオプションでご用意していますので、GRANDEのサプリメントを水素水でいただくと、ダブルで健康になる感じがして、ちょっとした贅沢感を味わえます。会員さまの中でも、どちらもオプションとして申し込まれている『二刀流』の人はいらっしゃいますね(笑)」

GRANDEのビジネスモデルはサブスクリプション。含まれている成分によって3段階のプランを用意している。会費外収入のアップに、大いに貢献してくれている。

資金調達により展開が加速他社サービスとも連携が可能に

自分だけにオーダーメイドされたサプリメントの成分をスクリーンに表示し、それを瞬時に提供 

ティップネス駒沢大学の導入時期と同じくして、プレシリーズBラウンドで1.5億円の資金調達を実施したドリコス。この調達を契機に、今後もますますアップデートされていくという。

「実は、今のGRANDEはすでに第2世代なんです。今年の1月から体組成計のINBODYさんとの連携を開始しました。利用開始前に自分の体型情報を手入力する必要がなくなりますし、そのデータがオーダーメイドにも役立つので、一石二鳥です。

6月からは会員管理システムのhacomonoさんとも連携を開始します。どんどん利便性を高めていきたいですね」とドリコスでマネージャーを務める関口氏は言う。

「会員さまとしても、我々としても、利便性がさらに上がるのは嬉しいことです。このようなハードデバイスは、時代とともにどんどん改良された機器が色々なメーカーから出てくるので、ドリコスさんには常に前線を走って欲しいですね」と太田氏も期待を込めて話す。

施設に来る理由は運動以外でもいい

フィットネスクラブに運動以外の用事で訪れてはいけないことはない。実際、スパやサウナだけ利用しつつ、ラウンジでリモートワークする人もいるくらいだ。月ごとの来館数は、継続率と相関関係にあることは言うまでもないだろうが、この点がGRANDEにとって最も活躍できる機会である。

「せっかくサブスクリプションでサプリメントサーバーを契約しているので、『飲まないともったいない』という発想になるのです。今まで飲んでいたサプリメントの購入を中断してまで申し込んでくださる方もいるので、飲みに来るために来館を促進しやすいです」(太田氏)

今後、ぜひとも来館数データを取って欲しいところだが、ドリコス調べでは、GRANDEを利用している人の継続率は、そうではない人と比べてなんと3倍になるという。フィットネスクラブは、もう運動できる場所だけを提供する時代ではないという示唆が生まれている。「運動、栄養、休養などと言いますが、私たちの身体を作るのは口に入れた食べ物で決まります。だからこそ、継続率を高めつつ、そこにアプローチできるのは非常に助かります」と太田氏は感謝を示す。

GRANDEの具体的な仕様だが、トレーニング前と後で、1日につき2回まで摂取できるように設計されている。成分の構成もそれぞれ異なるので、まずはトレーニング前に必ずサーバーへ立ち寄ることをおすすめする。

「ドリコスさんにお願いし、うちは2階と5階に1台ずつGRANDEを配置しています。セルフ利用の方も含め、多くの人にご利用いただければ、ティップネスのほかの店舗でも導入が進むと思います。それがどう継続率に影響してくるのか、中長期的に楽しみですね」(太田氏)

30年経っても地域で愛される施設運営を目指す

引き続き、地域の人たちに愛されるフィットネスクラブとして存在感を発揮しながら展開しているティップネス駒沢大学。今後、どのような未来をイメージしているのだろうか。「20~30年経っても、通い続けている人がいるようなクラブにしたいです。その頃からGRANDEでサプリメントを摂り続けているんだ、というような会員さまも出てくるといいですね」(太田氏)

また、関口氏も続ける。「GRANDEを通じて、多くのフィットネスクラブ様の手助けができればと考えています。まだまだ改善できるところもあるので、ティップネスさんとともに一歩ずつ歩んでいきたいと思います」

AIを搭載したサプリメントサーバーが、金銭的にも気軽に導入できる時代になった。ぜひご活用を。