東急スポーツシステム株式会社(以下、東急スポーツシステム)はアトリオブランドを全店一斉リブランドし、 Flexible × Sustainableをコンセプトとした新たな総合型フィットネスクラブ「ATRIO DUE Next(アトリオドゥーエネクスト)」を2023年7月にグランドオープンする。その基幹システムを支えるのが「hacomono」だ。導入のおかげで、今までは実現できなかった新しいフィットネス施設の在り方を生み出している。

  • 中谷元志氏
    東急スポーツシステム株式会社
    DX ・プロモーション推進室
    副室長

様々な DX ツールを武器に施設をリブランディング

総合型フィットネスクラブ「アトリオドゥーエ」を5店舗展開してきた東急スポーツシステムであるが、従来のブランドから次のステージへ移行するべくATRIO DUE Nextを7月から開始する。これを支えるのが多様な ITソリューション。FitnessBusiness 通巻124号ではGYMDXの導入による安全監視の強化を報じた。それに加え、コロナをきっかけに基幹システムを「hacomono」に刷新。何が導入の決め手となったのか?

「ユーザーインターフェース(UI)です。利用者側の利便性もさることながら、管理側にとっても運営状況をリアルタイムで把握でき、そのうえで適切な対策を講ずることができます。システム連動についても、施設運営に関する多様なデータを『hacomono』に一元化しました。既存のBIツールと連携させてデータ分析を行うという体制により、現場の業務はもちろんのこと、分析作業自体の効率化にもつながりました。価格に見合う、またはそれ以上の価値をお届けするべく、“人によるサービス”に注力できる環境が整いました」と中谷氏は言う。

様々なシステムを導入して業務を効率化しても、サービスの軸“人”とすることは変えなかった。

時間ではなく、利用エリアの切り分けプランを実現

従来の総合フィットネスクラブは、全エリアの利用がセットになった月額定額制が一般的であり、あまり利用しないエリアの会費も含まれていることが慣例であった。今回の新たな料金プランは、「ジム会員」「プール会員」「スタジオ・ジム会員」など、エリアごとの利用選択ができることで、それぞれの会員に最適なプランを提供することが可能になった。これが、ATRIO DUE Nextが提案する、新しいフィットネスクラブである。

「必要なトキに・必要なモノを・必要なブンだけ、がコンセプトです。これがFlexible を指します。『hacomono』は、顧客管理データを元に入場用の QRコードが発行でき、会費を支払っていないエリアについては入場ができないように設定できるからこそ実現できました」と中谷氏。これにより、利用頻度に合わせた適正な価格設定を実現。すでに会員向けにもリリースしている。

事前に全会員に向け、導入理由含めた社長メッセージを郵送したことで、多くの方が理解を示し、退会も想定より少ないという。さらに、ジムだけ使えればいいという顧客層は、より手軽に利用できるようになっており、非常に考えられた会費プランである。

スタジオの予約権利に価値をつけロイヤルカスタマーを虜に

フルセット会員については、スタジオプログラムを予約できる期間や回数、さらには利用頻度によって「フルセットS~LL会員」といった段階を設けることで、収益化につなげている。

「そもそも、スタジオの予約を効率よく行えることはもちろんですが、それに加えて飛行機で言うところのエコノミークラス、ビジネスクラス、ファーストクラスのようにスタジオプログラムを優先してご案内できる会員種別を作ることができました」。中谷氏も、想像以上にこの権利がロイヤルカスタマーに価値を感じてもらえていることに、手ごたえを感じている。

東急グループ全体で世界が憧れる街づくりの実現へ

2050年に東急グループがありたい姿を表現したビジョンの要素にウェルビーイングが含まれる。一人ひとりのライフスタイルに合わせた最適なサービス提供を行うことで、人生100年時代の安全・安心と、自分らしい生き方を実現できる街づくりを目指すためにもATRIO DUE Nextが始動する。