欧州を中心にIoTフィットネスマシンやヘルスケアアプリを駆使したトータルヘルスケアソリューションを持つmilon。2022~2023年は、ドイツ本国で新作の発表が目白押しとなった。そのうち、従来のミロナイザーを刷新したmilon YOUが、SPORTEC2023の東京会場にて初お披露目となる。UI/UXにゲーミフィケーションやエンターテインメントの要素を取り入れ、五感を刺激するデバイスとなった。

  • 株式会社アライアンス
    代表取締役
    荒川 毅氏
     

大画面のミラー型デバイスに変貌カメラも最新機種にアップデート

従来モデル「ミロナイザー」

和暦で言えば令和となったタイミングで、milonが提供する身体スキャニング、運動履歴・運動能力測定を可能とするデバイスのミロナイザーが、milon YOUへバトンを渡すときがきた。写真からもわかるように、洗練されたデザインの大型スクリーンを持つ鏡のような形状に変化を遂げた

『あなたを映し出す鏡』という意味を込めて、名称がYOUになっています。これは、milon MEというヘルスケアスマホアプリと対比構造になっています。自分の運動履歴やデータを参照できるME、それから測定できるYOUの2つのソリューションを、わかりやすいかたちでご紹介できるようになりました」と、milonの日本総代理店である株式会社アライアンスの代表取締役の荒川氏は説明する。

milon YOUになってから、ハード面で言えばカメラの機能が格段に向上した。ミロナイザーでは正面からの映像でしか動きを検知できなかったところを、最新の360度カメラに切り替えたことで多角的に運動や身体情報の計測が可能となり、より正確なデータが蓄積できるようにパワーアップしている。

360 度カメラを搭載した最新モデル「milon YOU」

健康診断のように毎年必ず運動診断を

いわゆる健康診断は、身長、体重、血圧、尿酸値などの測定を行うのが通例である。定期的な診断を行う利点は、過去の自分の数値と比較して、改善している点も悪化している点も明らかにしてくれることだろう。現に、健康診断の結果から気づきを得て、フィットネスクラブへ通うきっかけにする人も多いのが事実である。

「我々は、その健康診断に加えて運動診断を定期的に行ってほしいと思っています。特に、運動習慣があまりない人たちについては、自分の運動機能がどれほど落ちているのか、日常生活で感じるシチュエーションが少な過ぎるからです」と荒川氏は力説する。

milon YOUでは、簡単な運動テストを通じて計測できる。項目は主に3つで、バランス感覚、ジャンプ力、アジリティである。それらに加えて、身体データである身長、体重、体格、姿勢、可動域など様々なデータを計測し、それらを掛け合わせることで示唆を与えてくれる。それが、今まで運動習慣がなかった人への行動変容につながる可能性は、健康診断のケースから考えても非常に高いのではないだろうか?

フィットネスの在り方はここ数年でがらりと変化

近年、スポーツでもeスポーツという新しいジャンルが生まれ、急成長しているように、トレーニングにおいても“e(Electronic:電子の)”の要素を組み込んだ新しい体験価値、もっと言えばエンターテインメント要素が求められていると荒川氏は推測している。

「フィットネスクラブから見た未顧客層に対して、新たなアプローチが必要だと考えています。そこで、UI/UXがmilon YOUでは大幅に進歩しました」

1つはゲーミフィケーションの要素。運動テストについても、無機質なものではなくゲーム感覚で楽しく取り組めるように設計が施されている。

そして目玉となるもう1つはアバターテクノロジーによるエンターテインメント要素。各種ガイドを画面上で行ってくれるアバターで、未来的な演出にこだわっている。

マシンとの連携により、メニューの提案と実行をセットに

milon YOUで計測したデータをもとに、IoTフィットネスマシンであるmilonマシンに最適なシートポジションや負荷を含めたトレーニングメニューが紐づけられ、利用者はそれにしたがって運動するだけで良いという仕様になっている。

ただ計測して終わりでは意味がありません。そこからどのようにして運動するべきかというところまでセットで提供できるソリューションこそ、真のヘルスケアプラットフォームとなりうると考えています。さらに、自重トレーニングだけではなく、しっかりと高品質マシンで負荷を掛けられる点に、大きな価値があります」と荒川氏は言う。

予防や未病の対策にこそmilon が不可欠

すでにmilonの本国であるドイツおよびドイツ語圏の国々をはじめとして、milon YOUの展開が進んでいるなかで、日本では来たるSPORTEC2023で初公開となる。荒川氏に、日本市場における期待や展望を最後に訊いた。

「ドイツでmilonが誕生してから何十年と経ちます。そのなかで、従来はフィットネスに重きが置かれていたところ、欧州では病院をはじめとしたメディカル領域での導入が加速しています。日本は特に、フィットネスとメディカルの間に大きな隔たりや壁のようなものが存在すると思っているので、その中間地点にmilonというソリューションが入ることで、医療との連携が加速すると考えています」

具体的に、どういう取り組みが考えられるのだろうか?

「milon YOUで運動機能を病院で計測し、その後フィットネスクラブでの運動を推奨するというような連携ができるかもしれません」。さらに続ける。

「もちろん、milonマシンと組み合わせて一気通貫のソリューションが提供できることが理想ではありますが、まずは未顧客層に『運動機能のチェックをしてみませんか?』というかたちで集客にmilon YOUを役立てるのも1つの方法だと思います。その後の運動データ自体を医療現場と共有することで、様々な健康課題の解決につながると信じています」

荒川氏が特に課題を感じているのは、フレイルや認知症など。運動を習慣化すれば予防できる可能性が高い課題であるからこそ、使命感を持ってmilonの日本での展開に取り組んでいる。

IT企業や大手企業などをはじめとして異業種参入が相次ぐヘルスケア領域。その市場を牽引する新デバイス、milon YOUが間もなく上陸する。