民間企業が事業として手がけるフィットネスサービスは、エンターテインメントやエデュケーションの要素も備えていることから、「エクサテインメント」とか「エクサケーション」「エデュテインメント」などとも言われることがありますが、その本質は、「エシカルフィットネス」にあるのではないでしょうか。

「エシカルフィットネス」とは、フィットネスが持つ倫理的側面に着目した概念です。巷間、Z世代やミレニアル世代を中心に、SDGs文脈でエシカルな消費がジワリと広がってきています。しかし、モノの所有に価値を置き消費欲求の強いシニア世代の多くは、「それって、本当?」と疑い、「エシカルな消費って、今後、ずっと拡がっていくトレンドなの?」などと思っている方が多いのかもしれません。

スウェーデンの16歳の女の子グレタ・トゥーンベリさんが、温暖化対策を訴え続けていることは、世界中の多くの人たちが知るところかと思いますが、イギリスの思想家ケイト・ソパー氏は、次のように述べています。

エシカル消費やミニマル消費において、自己利益は抑制されているわけではなく、むしろ社会・環境への配慮が積極的に自己利益に内部化されています

若い世代を中心に、こうした価値観に基づいた消費をするのは、これから当たり前になっていくのではないでしょうか。SDGs(持続可能な開発目標)が掲げる17の目標の中にも、3番目にGOOD HEALTH AND WELL-BEING(すべての人に健康と福祉を)と記されています。

そう考えたとき、国民の一人ひとりが、心身の健康の維持向上に努めることは、医療費や介護費などの社会保障費のムダを押さえ、国家の経済や社会を健全化することにつながるので、一番のエシカル消費とも言えるのではないでしょうか。

例えば、生活習慣に気をつけることなく、生活習慣病に罹患し保険料を浪費する人というのは、きちんと保険料を納めて病気せずに健康でいる生活者が払っている保険料をムダに使っていることになります。こういう人の浪費が、若い世代への保険料負担を増やしてしまっているのです。

こうした生活習慣病患者には、申し訳ないという意識はないのでしょうか?

否、きっとあるはずです