昨今、出店が著しいパーソナルトレーニングジム業態。持続的に成長していくためには、顧(個)客にフィットするトレーニングなどの設計と、リスクヘッジ可能な範囲内での投資と回収の計画(財務&会計の知識)が重要となろう。パーソナルトレーニングスタジオeF-foria(以下、eF-foria)では、特にイニシャルコストの計画を最適化し、出店数を着実に増やしている。マシン等の導入が必要になってくるパーソナルトレーニングで、どのような工夫をしたのだろうか?

  • パーソナルトレーニングスタジオeF-foria
    トレーナー統括チーフマネージャー
    成田力也氏
     

回数制限なしで月20,000 円

eF-foriaは、2022年7月1日に池袋目白店、同年11月1日に雪が谷大塚店、2024年1月9日に石川台店をオープンしたパーソナルトレーニングスタジオ。名前の由来は「強い幸福感」。運動初心者だけでなく、ほかのジムに通ったものの長期間継続できなかった人などを対象顧客としている。1回30分のパーソナルトレーニングを、月額制の回数制限なしで受けることができ、価格は20,000円(税抜)。

成田氏は「年齢層は幅広く、主に30 〜50代の女性が多く通っています。予約頻度は、週2〜3回が多く、習慣づくりを念頭に置いています」と言う。

正確なデータを確認

eF-foriaでは、カウンセリングで目的や既往歴を確認する。そのカウンセリングの際と約2ヶ月に1回、BodyPlannerで体組成を測定している。Body Plannerは、大和製衡の体組成計で、ウェルレックスが正規代理店をしている。成田氏は、まず、データを取得することの重要性について語る。

「eF-foriaでは、Body Plannerを使っています。主に体脂肪率や筋肉量に着目することが多いのですが、客観的な数字が把握できるため、主観的・感覚的な評価ではなく、データに基づいて把握できます。ほとんどの方が体脂肪率を気にされますが、筋肉量と体脂肪量についてフィードバックしています」

Body Plannnerを選んだきっかけは何だったのだろうか?

「簡易的なものや高価なものまで検討しましたが、コンパクトさとアプリが強みでした。特に開業時はイニシャルコストもかかり、限られたスペースのため、プリンターなどは置きたくなかったのですが、Body Plannnerはスッキリしています。また、会員さまは専用のアプリで過去の履歴を蓄積できます。計測時には、Body Plannnerから印紙が出てくるので、そちらで結果を確認でき、その印紙はカルテとしてスタッフ間で管理したりしています。そして、Body Plannnerは、納得のいく価格設定でした」

顧客への指導のきっかけになる

 

成田氏は、Body Plannnerを導入したことで、会員への提供サービスが向上していると言う。

「数字が良ければ、それは会員さまが喜ぶ機会になり、満足度と継続率の向上につながるので売上に直結します。逆に、結果があまり良くないときも、もちろんあります。そのときは、食生活の乱れなど、何にアプローチするのかを考えられるので、次回に向けたプランニングができます。BodyPlannnerがあることは、指導のきっかけになるのです」

さらに成田氏は、パーソナルトレーニングの開業時に起こる、ある課題に対して警鐘を鳴らす。

「開業時は特に、イニシャルコストを抑えたいということから家庭用体組成機を導入するジムがありますが、私の経験をお伝えすると、それでは限界があると思います。記録を、都度、手で急いでメモしなければならないことや、データの正確性といったところでトータルで手間がかかってしまいます」

Body Plannnerはアプリで会員さま自身がデータを確認できるため、利便性が高く、事業者にとっても効率的なのだ。

習慣づくりへ

今後の目標について、成田氏は次のように語る。

「東急池上線のエリアで出店してきているので、今後も拡大していき、長期的にはFC展開ができたらと考えています。この低価格での良さをより拡めていきたいです」

必要十分なデータの活用により、会員の習慣化を目指す。