mywellness「チャレンジ」機能がもたらす体験価値とクラブライフ

 

新しいメンバーのオンボーディングと、慣れてきたメンバーへの情緒的価値の提案。どんなメンバーへも、体験価値のデザインがクラブライフの充実度を左右する。では、クラブはどのように関係性を築いていくとよいのだろうか? 静岡県のNice BeaT浜松の井場木氏は、初期段階でのサポートと接点のつくり方を示唆する。

 

Nice BeaT 浜松 ゼネラルマネージャー 井場木 祐治氏(右)

エンゲージメントを高めるLETʼS MOVE FOR A BETTER WORLD

メンバーのライフスタイルに運動が馴染んでいくには、フェーズに合った体験価値の提案が求められる。その1つに、メンバーとクラブのエンゲージメントがある。しかし実際は、スタッフの習熟度は様々で、コストもかけにくい状況だ。では、どのようにしたら、未顧客とも、ライトユーザーとも、ヘビーユーザーとも関係性を築けるのだろうか?

Technogymが2024年3月12~27日にかけて、世界規模で開催したフィットネス業界最大のソーシャルメディアキャンペーン『LETʼSMOVE FOR A BETTER WORLD(以下、LMFBW)』をご存じだろうか。

客観評価で数値化された運動量「MOVE」をユーザーが貯めて、クラブレベルで競い合う。MOVEは、性別、年齢、体力に関係なく運動量から測定され、例えば階段5階分の上りは50MOVEに相当。

特設サイトでは、参加しているクラブを検索できる

MOVEはネットワーク接続されたTechnogymの製品だけでなく、Technogymアカウントと連携したサードパーティーアプリ等で収集できる。上限は1日2,000MOVEだ。

クラブ側は、mywellness CRMの「チャレンジ」という機能から参加できる。参加登録すると、クラブ単位でMOVEを貯めて世界中のクラブと競い合ったり、クラブ内のメンバー同士で競い合ったりすることができる。

世界中がTechnogymイエローに染まる

LMFBWは、ライフスタイルに運動を取り入れるきっかけとして、直近のの開催では世界50カ国、1,300箇所の施設で20万人が参加している。そのレポートを、一部、紹介しよう。

・79%の施設で、施設の利用回数と利用意欲が高まった
・施設への来場数が+26%
・在籍会員数が+15%

チャレンジ機能は、LMFBWだけでなく、クラブが自在に活用でき、年間いつでもメンバーが競い合うイベントを提供することができる。メンバーと施設のエンゲージメントを高めるうえで、世界では、チャレンジが標準装備ともいえるのではないか。

では、具体的にはいかにメンバーと関係性を築いているのだろうか?

Nice BeaT 浜松が国内第2位に

Nice BeaT浜松は、2019年11月1日にオープンしたメディカルフィットネス業態の大型クラブだ。

病院運営からの参入により、アスリートからフレイル、メタボ予防まで対応でき、メインターゲットは60代。

入会時にカウンセリングを行い、運動プログラムを提案。入会後には、体力測定と併設の十全オアシスクリニックでのメディカルチェックを行い、病院側と、共有しているデータをもとに2週間以内に運動プログラムを更新。その1ヶ月以内にも再度更新され、初期段階のサポートが手厚い。

これまで体験価値を大切にしてきた井場木氏は、こう語る。

「運動指導を求めている方から選ばれています。重点的にスタッフが関わるため、他のジムとも差別化できています。おしゃべりして帰るメンバーもいれば、夜遅く来店する若いメンバーもいます。黙々と運動しているようでも、話しかけてみると『フォームが合っているか心配』。スタッフからすると、話したことがないメンバーに話しかけることに遠慮があったり、スタッフの入れ替わりで接点が持ちづらいこともあったりしますが、きっかけがあると少しずつ関係性ができていきます」

オープンからずっと、メンバーとの会話を大切にしてきた。毎年のオープン記念イベントや、スポーツフェスティバルという独自のイベントでチャレンジを使ってきた。チーム戦や個人戦を組んで、目標達成の喜びや、楽しく運動できる環境をつくってきた。

そんなNice BeaT浜松は、今年のLMFBWでは国内MOVE獲得数2位。どのようにコミットしたのだろうか。

きっかけをくれるチャレンジ機能

「kioskのすぐ後ろにスタッフが常駐しているので、チェックインするメンバーに参加を促す声かけをしたり、個人順位が表示されるモニターを近くに設置しました。会員のアプリやマシンの画面にも告知が表示され、カウントダウンされるのですが、Technogym側が自動で反映してくれます。プロモーションのためにスタッフが身構えることもなく始められます」

LMFBWに参加したある女性メンバーは、次のように話す。

「いつもの運動プログラムに則って運動しました。モニターに自分の順位が流れてくるまで見ていたんです。スタッフの方だけでなく、今まで話したことがないメンバーの方とも盛り上がりました。Nice BeaT浜松に大満足していて、私が紹介できる方は、皆、紹介しました」

「メンバーとスタッフの会話が自然発生していました。『まだまだやらないと』『人それぞれですよ』『もうちょっと頻度増やしたほうがいいかな』など、だんだん人が集まって来て、ワイワイしだします(笑)」(井場木氏)

過去に『チャレンジに参加しよう』というイベントを開催したこともあり、デジタルに抵抗もなかった。

キャンペーンで生まれた接点から充実したクラブライフへ

井場木氏は、次のように振り返る。

「チャレンジは、メンバーとの接点ができる、とても良いコミュニケーションツールの1つです。スタッフが+αの労力を使うことなく、自然に接点が生まれ、普段、あまり会話を交わさないメンバーと話すきっかけができ、来館頻度の見直し、ひいてはクラブライフの充実につながります。mywellnessを通じて、メンバーが何日の何時にどのマシンをどのくらいやったかまでわかります」

井場木氏は、イベントの重要性についても語る。

「コロナでこじんまりしたこともありましたが、入会のきっかけにもなっています。ほかにも、地域連携として、ラグビーの選手やプロゴルファーに講演していただいたことがあり、今後は、無料の体力測定会等をフックにしたい。イベント等が何もないとメンバーは飽きてしまいます」

さらに、井場木氏はPDCAを回す。

「mywellnessで管理している総会員数のうちアクティブ会員が600人ほどいて、今回のキャンペーンに210人が参加していますが、スタッフ間で『少なくとも半分の方には直接声をかけよう』と話して、データからオペレーションに落とし込んでいました。またミーティングで反省会をするのですが、午前の参加者には声をかけられていますが、夜遅い方にはもっと声をかけられたのかもしれません。それにしても、mywellnessには助かっています」

課題が可視化されるため、スタッフによるアプローチの精度は増していくばかり。丁寧なケアにより生まれる口コミは、入会獲得にも寄与する。

「チャレンジは、毎年やりたいです」

チャレンジでエンゲージメントを高めよう

「初期段階でのしっかりとしたサポートと接点をもつことで、退会リスクを減らすことができます」

Technogymに対しても、こう話す。

「とても満足しています。マシンの品質が高く、コロナで関心が高まったデータ管理については、その前からしっかりとしていました。メンバーに説明する際も客観性が担保でき、説得力があります。Technogymがないクラブ運営は想像できません」

会話0では、メンバーと関係性は築けない。ちょっと勇気がいるかもしれないが、会話により関係性が生まれれば、LTV向上の一助となる。チャレンジを活用してみてはどうだろうか。