スマートフォンやタブレット端末に付属するカメラで動きを撮影し、モーションキャプチャーをもとに、AI姿勢分析・動作分析を行うアプリ「Sportip Pro」を提供している株式会社Sportip(以下、Sportip)。

設立以降、総合型クラブやパーソナルジム、24時間ジムに加え、指定管理施設や整体、整骨院・病院・プロスポーツチーム・介護施設など、幅広い分野で運動指導のサポート役を担っている。

あらゆる経営課題の解決に役立つ同サービスの活用事例や今後の展望を、同社の髙久氏に訊いた。

  • 株式会社Sportip
    代表取締役 CEO
    髙久侑也氏

適切な運動メニューを瞬時に提供

2018年に設立したSportipは筑波大学発のベンチャー企業。同社が提供している「Sportip Pro」を一言で表現すると「ウェルネス領域のAIアシスタント」という言葉が伝わりやすいだろう。その特徴には、以下の3つが挙げられる。

  1. 若者から高齢者まで解析が可能な228項目のチェック機能
  2. 個人にぴったりなフィードバックを返せる24億以上のパターン
  3. 改善が実現できる2,295以上のトレーニング

AIによる技術とはいえ、驚くべきは、3つそれぞれの特徴が算出している、膨大な数値である。

カメラで撮影するだけで、個人の身体情報を可視化し、適切な運動メニューをわずか“1秒”で提供することが可能な「Sportip Pro」。これまでトレーナーが時間をかけて行ってきた身体分析・指導の準備を、アプリが一部サポートしてくれる、という優れものである。さらなるサポートの強化を目指し、各種機能を日々グレードアップしている。

 

あらゆる経営課題の解決に最適

「Sportip Pro」はトレーナーのサポートや利用者に効果的なトレーニングを提供するだけでなく、あらゆる業態の施設において、その他にも様々なメリットをもたらすことができると髙久氏は話す。

「無料体験の際に活用した総合型+パーソナルのクラブでは、一定期間で33%だった体験後の入会率が、71%まで上がりました。また、次回予約が重要なパーソナルトレーニングの初回セッションでも活用いただき、次回予約の数が50%以上に伸びたという話も聞いています。利用者は自身の身体データを理解したうえで、どのようなトレーニングを続けたら良いかが見えるので、その点が満足度の向上にもつながったと感じている」

「Sportip Pro」をサブスクのプランとして導入している事例もある。利用者の約50%が有効活用しているパーソナルジムでは、顧客単価のアップだけではなく、トレーニングの最適化が退会防止にもつながり、大変喜ばれているという。

また、ジム内にある機材に「Sportip Pro」のアプリを登録し、利用者が来館する度に、自身の分析データをもとに最適な運動を続けられるといった、継続利用の向上に役立てているクラブもある。

運動を始めても続けられるか不安、といった入会予備軍に対し、万全のサポートができる「Sportip Pro」を導入していることは、経営課題の1つでもある、新規入会獲得の後押しもしてくれるだろう。

「他社にも様々な商品やサービスはあるが、“ツールとして用意しておくだけ”では決して意味がない。利用者の目的に対して、そのツールをどのように活用し、オペレーションにどう組み込み、実用効果をきちんと検証して、プロセスを回していくことが重要」と同氏。

運動指導のさらなる領域拡大へ

導入後も定期的なサポートを行い、会員の初期定着に貢献する同社のサービス、トライアルで導入することも可能である。

今後、より個人の身体に合わせたフィードバックを高めていけると見込んでいる。また、身体分析を取り扱うメーカーやマシンメーカーとタッグを組み、新たな運動指導を開発していきたいと考えている。年齢や性別、運動目的を問わず、パーソナライズされた指導をサポートしていく同社の動向にますます目が離せない。

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