Biocircuitがデイケア施設にもたらす大きな可能性

ダイエットやパフォーマンスアップといった運動の目的、現在の筋力や体力といったレベルは、ユーザーによって様々である。一人ひとりの異なるゴールを、短時間かつ優れた方法で実現してくれることから、TechnogymのBiocircuit(バイオサーキット)を導入している施設は数多い。大阪府交野市で「デイケアはばたき」を運営する、おがわクリニックもその1つだ。安全で効果的なサーキットプログラムをガイド付きで提供するBiocircuitをデイケアで導入した経緯、リハビリを目的とした活用事例、ユーザーの声を訊いた。

  • 医療法人医翔会 おがわクリニック 理事長 小川修平氏(左)
    医療法人医翔会 おがわクリニック デイケアはばたき 医学療法士 主任 市川博之氏(右)

患者さまをデイケアで支援したい利用者ファーストで選定したマシン

おがわクリニックは「質の高い医療の提供」を基本理念に、2010年、開院された。内科・呼吸器内科・小児科の診療に加え、睡眠時無呼吸症候群に悩む患者さまにも向き合っており、様々な症状・幅広い年代の方々に必要とされているクリニックである。

おがわクリニックの理事長である小川修平氏は「開院当初、70歳代前半の患者さまは元気に通院されていましたが、80歳代に差し掛かるとだんだん足腰が弱り、認知症にもなってしまい、他の施設に転院されてしまう、そのような流れの方々をたくさん見てきました。ご自身の足で歩いて通院していただき、ご自宅で自立した生活を送っていただけるような、そういった支援をしたいという思いから、デイケアはばたきを立ち上げました」と話す。

学生時代から筋力トレーニングに励み、多くのマシンを利用してきた同氏が、そこで使うマシンとしてTechnogymを選定した理由を、次のように語る。

「デザイン性が非常に高く、高級感がある。また、機能がとても優れていると感じていたので、自宅にも同社のマシンを置いています。デイケアの立ち上げにあたり、クリニックの隣に大きなスペースの施設を借りることができました。大きな施設で運営するからには、素晴らしいマシンを取り揃えたい、その過程で出会ったのがBiocircuitです。デイケアの利用対象者は、サルコペニアやフレイルといった加齢に伴う筋力低下や虚弱の方が多い。その方にとって一般的なマシンは、ご自身に合わせた位置の設定や負荷の調整をするといった点において、作業がとても大変で難しくなってしまう。Biocircuitは、その点がオート設定になっているので、デイケアに向いていると強く実感しました。クリニックの理念を元に、デイケアでは『質の高いリハビリの提供』を目的とし、どこにも負けないマシンを導入したい思いで、Biocircuitの採用を決めました」。

診療の合間にリハビリへ通われている方々に、都度リハビリの状況をヒアリングするようにしている小川氏。週に一度しかリハビリを行えない要支援1の認定を受けた方から、「週に1回のリハビリが待ち遠しい」という声を何人もの方から聴くという。要支援の認定を受ける前、トレーニングジムに通われていた方から、とても利用しやすい、とマシンの評価も高い。

「デイケアはばたきの魅力は大きく2つある。1つ目はBiocircuitという、どこにも負けない最新のマシンがあること。2つ目は、優秀な理学療法士が集まり、リハビリ指導やマッサージといったケアをしっかりと行ってくれていること。デイケアはばたきに通うことを楽しみにしている方が多く、立ち上げて本当に良かったと感じている」と小川氏。日本のデイケア施設でBiocircuitを初めて導入した同施設は、9台のマシンを活用し、利用者のケアに日々向き合っている。

 

利用者の満足度向上へ

理学療法士であるデイケアはばたきの主任、市川博之氏は「生活をするうえで動作が不十分な方、筋力が低下している方や関節が硬くなっている方が、当施設を主に利用している。曜日により異なるが、一日40~50名の方が来られていて、時間帯で4つの部に分け、それぞれの部で約1時間30分程度の時間で運動を行っている。マシンを利用してのリハビリは、運動能力が比較的高い方を対象に勧めており、筋力の増強といったトレーニングに日々励んでいただいています」と現在の利用状況を話す。

介護保険を活用して受けられる施設には、運動特化型のデイケアと日常のレクリエーションを目的とするデイサービスの2つがある。交野市には、デイケアを受けられる施設が少ないので、運動の意欲が高い方の声を聞いたケアマネージャーは、運動施設としての充実度の高さから、紹介してくれる機会が多いという。

「利用者さまの満足度はとても高く『この施設に来て良かった』という声をたくさんお聞きします。ケアマネージャーには、簡易的なテストを通して下肢の筋力が上がった実績の報告や腰痛・膝関節痛が和らいで歩きやすくなった、生活の幅が広がった、という利用者さまからのダイレクトなお声のフィードバックをするようにしている。また、日々心掛けて大切にしていることの1つに、コミュニケーションがあります。利用者さまと我々理学療法士において、日々のリハビリに関してはもちろん、利用者さま同士の雑談にも積極的に参加して、生活の進境を聴取するようにもしています。リハビリにおいて大事にしているポイントは、利用するマシンによって使う筋肉が様々異なるので、この筋肉が働いているんですよ、と筋肉を触らせていただきながら、わかりやすく説明するようにしています。初めて施設を利用する方には、入念な話し合いのもと、その方のリハビリにおいての向き不向きを我々が判断し、Biocircuitの9種類のマシンをどう活用していくことが最適かを図るようにしています。利用者さまの進捗を把握するだけでなく、さらに良い指導・利用者さまに元気を提供できるよう、理学療法士・助士と会話も大切にしている。今後、Biocircuitをさらに活用して、運動の効果を数値的していくことに取り組んでいきたい」と市川氏。

「この施設で楽しく運動を続けたい」

利用満足度の高い当施設は、利用者さまにあらゆるメリットをもたらしている。病気になってから全然運動をしていなかった、という女性の利用者は、次のように話す。

「夫が利用していたこともあり、この施設を知りましたが、マシンが充実しているここで、私も運動したいという一心で始めました。始める前は体力が落ちていると思っていましたが、マシンを使っての運動を始め、ここの筋肉が落ちている、ということも日々感じています。週に2日、楽しく運動を続けられていて、家でも色々なことに取り組めているのは、この施設のお陰だと思っています。1日でも長く自分の足で歩いて、身体を動かしながら元気に生きていくことが今の目標です」

週に6日のペースで通う男性の利用者は「病気の後遺症により、トレーニングで力を入れすぎると良くない、力を抜かないといけない、ということを知りました。肩が痛くて全然動かすことができなかったけど、こちらの施設で無理することなくマシンを利用できているお陰で、可動域が広くなってきました。自分のデータを管理してもらいながらトレーニングを続けられるマシンなので、とても助かっている。運動結果をスコアで出してくれるのは、モチベーションの1つになっているので、楽しく続けられています」と話す。

目指すはリハビリ施設、地域1番店

 

Biocircuitの導入を今後検討するデイケア施設に対し、小川氏にアドバイスを訊いた。「9台を導入するとなると、広いスペースが必要になってきます。そのスペースに掛かる建築費や内装費、マシン導入費も考えると、大きな初期費用が必要になってくる。新規開業であれば、クリニックの患者さまがすでに多数いて、支援・介護の認定がすぐに下りやすい環境の施設。デイケアをすでに経営している施設であれば、利用者の数が多く、ステップアップとしてそこに導入するといった施設、に向いていると考えています」

「現状、1回につき10名ほどの利用者であるが、最終的には20名の方に利用いただけるよう、拡大していきたい。また、同施設内での増床も図っていきたいと考えている。地域一番店のリハビリ施設を目指していきます」と小川氏。

国内で類を見ないほど、Biocircuitのマシンを取り揃えたデイケアはばたき。地域に根差したさらなる発展に期待していきたい。