顧客獲得の成果やデータを次の集客に活かす

クラブ運営における生命線の1つに、継続した会員獲得が挙げられる。プロモーション手法は多様だが、見込み客に直接情報を伝達できるチラシは、替えのきかない独自性や結果への即時性に期待され、欠かせない。株式会社ポスティングホールディングス(以下、同社)は、ポスティングの基本構造に独自のテクノロジーを融合し、顧客獲得の成果やデータを次の集客へと活かす道筋が作れる企業と注目されている。

  • 株式会社ポスティングホールディングス
    代表取締役 CEO
    杉尾 和洋氏
  • 株式会社ポスティングホールディングス
    取締役 最高業務執行責任者
    阿部 洋之氏

ニーズを掘り起こすきっかけづくり

2022年よりスタートした同社の事業は、年を追うごとに成長軌道を描いている。様々な業態の集客を支援するなか、代表取締役CEOを務める杉尾和洋氏に、フィットネス各社の経営課題をどのように考えているか訊いた。

「セルフ系、24時間営業など、市場は多様化しているが、継続して集客に取り組むべき悩みは同じ。ただ、ターゲットやサービス、付加価値が異なることから、他と同じ集客施策をそのまま実践しても非効率となる場合があります。その点において、チラシであれば配布先選定の肝となる商圏分析や反響の可視化など、他社ではフォローが難しい要素を、当社はテクノロジーを駆使して解決できます」と杉尾氏。

同氏は、以下のように続ける。「そもそも関心が低い方に対しては、アプローチが重要になってきます。webで調べる前段階の、“近くにこんなフィットネスがあるんだ”という、認知~利用意思を形成する段階からの掘り起こしを、チラシを通してのコミュニケーションで叶えることができます。そもそもチラシは『手元に届く、じっくり見る、検討する』という思考のステップを経ることから、意欲が高い優良顧客を得やすいツールとして評価されています。その配布方法にテクノロジー要素を加え当社の仕組みは、各社の課題解決に貢献できるはずです」

集客戦略をもとに、確実な成果を出す

最新テクノロジーを用いた集客戦略を最大の強みとする同社。導入企業は5,000社を超えているが、どのような成果を残しているのだろうか?

GISデータを活用した商圏分析

同社の最高業務執行責任者である阿部洋之氏は「24時間営業マシン特化型のフィットネスジムとして人気を集めているワールドプラス様において、月に約10店舗のお手伝いをしています。学生を集客したいという希望に対し、国勢調査データとGIS(地理情報システム)データを掛け合わせ、そこにマーケティングの知見を加えた集客戦略を提案し、実施しました。お陰さまで納得いただける成果を残せ、今後は依頼する店舗数とエリアを拡大して、さらに集客の強化を図っていきたいとお話をいただいています」と語る。

他のクラブにおいて、同社の集客力の強さを改めて実感できる成果が出ているという。「従来のチラシ配布を見直すこととなり、当社がお手伝いすることになりました。配布開始からすぐ、反響数は従来の約20倍に、最終的には約50倍となりました」と阿部氏。

これだけの反響を得た理由は、決められたエリアで決められた量を正確に配布し、配布状況と成果を正確に把握することである。「この周辺に配ります。あとは反響を待ちましょう」といった不確定要素を可能な限り消去できる点は、依頼する側にとって心強い。

阿部氏は続けて話す。「店舗ごとにきめ細かく配布条件の設定ができ、その結果が可視化される。そのデータを参考に、私たちから次のご提案ができる。配って終わりではなく、配ってからがスタートです」

なお同社の施策によって、反響数約50倍を実現した店舗は、新規入会につながる「お試し体験」の申込者が、定員の100%に達したという。

成長し続け、目指すは業界最大手

QRコード分析による位置特定機能

先に述べたGISに加え、独自で開発したGPS機能を用いることにより、リアルタイムでの配布状況が可視化でき、不正の防止につなげられる。また、独自開発のQRコードをチラシに掲載することで、リーチ数だけでなく、いつどこの位置でアクセスしたかまで分析することができ、効果測定を行える。まさに、画期的なサービスだ。

今後さらに、QRコード活用やデータ分析に注力し、年齢や位置情報、属性や商圏などの多様なデータを掛け合わせ、それらを二次利用した新たなマーケティング施策にも舵を切っていく。

2026年度末までに、売上60億円という業界最大手のポジションを目指していく同社。フィットネス事業者は、ポスティングによる新たな成果に期待してみてはどうだろう。