地域密着型ジムを下支えするAI・デジタルソリューション
様々な目標や目的を持ってクラブへ入会するユーザーに対し、クオリティの高いサービス・指導を提供し続けることは、フィットネス事業者にとって欠かすことができない、大切なテーマである。大阪府吹田市で24時間ジムCOREFITNESS(コア フィットネス)を運営する東洋技研株式会社(以下、同社)は、自社で培ってきたサービス力を最大限に活かし、その強みを最大限に発揮することを目的にTechnogymのソリューションを選定している。日頃からユーザーへどのように寄り添い、いかにエンゲージメントを高めているのだろうか?

東洋技研株式会社
代表取締役 櫻井秀朗氏(中)
森田くるみ氏(左)
工藤海輝氏(右)
自社の強みを最大限に活用しフィットネスを習慣化させたい

「24時間365日、楽しく健康に」をコンセプトに、2021年、CORE FITNESSは誕生した。同社で代表取締役を務める櫻井秀朗氏は「コロナ禍を経て、健康とフィットネスに焦点を当てた事業計画を立案しました。自分自身もトレーニングを続けるなか、運動を習慣化し、継続することがフィットネスにおける障壁と感じていました。周辺には総合型や24時間営業ジム、パーソナルのジムなど数多くありますが、人が寄り添い、習慣化をサポートできる“地域密着型24時間ジム”を新たに作ろうと決意しました」と振り返る。
競合となる施設との差別化を図るために採り入れたのが、同社が数店舗の運営をする飲食店で培ってきた、サービス力である。「サービス業を通して、接客の重要性を学んできました。トレーニング習慣化のサポートを接客と捉え、会員さまへの接客においてコミュニケーションを大切にするようにしています。そこがCORE FITNESSの一番の強みです」と櫻井氏。
自社で運営する飲食店と連携を取り、CORE FITNESSの会員は特別価格で利用することができるという。運動だけでなく、健康に欠かせない食事も大切にしている同社。ジムから徒歩圏内にあるCORE MEAL(コアミール)では、管理栄養士が「病院いらずの体を作って欲しい」という想いで提供しているカロリー計算されたパワーサラダやワンプレートは人気を博している。
利用者の目的や目標に寄り添う安全で効果的なBiocircuit

CORE FITNESS開業以降、トレーニング習慣化のサポートとして欠かせない存在となっているのが、Technogymが提供しているソリューションだ。導入に至った背景を同社の森田くるみ氏は、以下のように話す。
「開業前、マシンを調べたり多くの施設を見学したりするなかで巡り会えたのが、TechnogymのBiocircuitでした。怪我のリスクを抑えることができ、運動初心者の方でも始めやすいと聞き、スタッフ皆で利用してみたところ、その素晴らしさを実感できたのが導入のきっかけになります。マシンに高級感があり、オリンピックのオフィシャルサポーターを務めていたことも魅力に感じました」
安全で効果的なサーキットプログラムをガイド付きで提供するBiocircuitは、どのようなメリットをもたらすのだろうか。「初心者から上級者まで、すべての方の目的や目標に寄り添える点が、会員さまにとって一番のメリットだと感じています。見学や体験で来られた方にも利用していただきますが、波の形が映し出される画面を見ての運動を通して、強度を変えられる点や楽しみながらトレーニングできる点を評価いただいています。利用された方の約9割が入会されることは、Biocircuitがあっての話だと思います」と同社の工藤海輝氏。
工藤氏は続けて「スタッフにとってのメリットは、多くの方をサポートするにあたり、アプローチ方法がたくさんあることやレベルをカスタムできることだと感じています。会員さまをサポートするうえで、スタッフが一人ひとり付くことにより、安全に利用していただけるだけでなく、利用しながらのコミュニケーションが図れていますので、会員さまの習慣化につながっています」と話す。
楽しみながら短時間で成果を出せるSkillrun Bootcamp

馴染みがない読者も多いだろうが、CORE FITNESSはSkillrun Bootcampというソリューションも導入している。Skillrun Bootcampは、有酸素系とパワー系のワークアウトを簡単に切り替えられるSkillrunトレッドミルとコンパクトながら200種類以上のエクササイズを可能にするTechnogym Benchを組み合わせた、短時間で運動能力を向上させるプログラムフォーマットだ。
短時間のグループクラスで運動機能を高めることができる。「ハードにはなりますが、グループで一緒に乗り切れることにより、“しんどいけど楽しい”という両面を同時に味わえ、大きな成果につながるトレーニングです。私自身、ベストボディ・ジャパンというコンテストに出場するにあたり、スタジオのレッスンやサーキットでのトレーニングに加え、Skillrunを用いて減量を図りました。確実に成果を出せ、昨年の近畿大会で1位を獲得することができました」と森田氏は嬉しそうに話す。

本来はHIITと捉えられるブートキャンプだが「理学療法士の知識経験とSkillrun Bootcampを掛け合わせ、姿勢の改善や柔軟性の向上を目的にしたプログラムの実践にも取り組んでいます。スタッフとシステムを組み合わせることにより、色々な形で会員さまの目標達成や課題解決にアプローチすることができる点は魅力の1つです。また、会員さまへのサポートには人手や時間がかかったりするものですが、Biocircuit同様にSkillrun Bootcampにおいても、その部分の軽減ができるようになります」と工藤氏。
CORE FITNESSでは、Technogymのデジタルソリューションも有効活用している。Mywellness上において、利用状況や目標に合わせての達成度などを理解することができ、会員は自らのモチベーションを保ちながら成果に向かって前進することができる。施設においても、会員一人ひとりに合わせた的確なサポート体制が図れる点は、大きなメリットとなっている。
サポートがトレーニングの励み

幅広い年齢層が在籍しているCORE FITNESSは、朝日町本店に加え、PLUS店も展開している。PLUS店では、Skillrun Bootcampなどのスタジオプログラムや充実のウェイトトレーニングも取り揃えているが、両店を利用する会員はどのような成果に満足しているのだろうか。
「スタッフの方々が、私たちのことを深く理解しようとしてくれている。適切なアドバイスをしてくれるのが一番の魅力ですし、その日の体調やモチベーションに合わせて、いろいろな設定ができるBiocircuitを日々活用しています」と男性の利用者は話す。
女性の利用者は「姿勢改善を目的に入会しましたが、スタッフのオススメもあり、あらゆる運動にチャレンジしています。結果、とても楽しい時間を味わえているだけでなく、脂肪が落ち筋肉がついて、体重が落ちて嬉しい日々を実感しています」と話す。
会員の理想を第一に考えるCORE FITNESSは、今後、オンラインを活用した活動や野外イベントの開催、トレーニングウェアのアパレル展開も視野に入れている。
サービスの根幹となるコミュニケーションを介し、目的や目標の達成だけでなく会員のエンゲージメント向上を目指し続けているCORE FITNESS。その運営を、AIとデジタルを活用したソリューションで下支えしているTechnogym。両者による取り組みは、クオリティの高いサービスと指導の指標となるだろう。