「どうすれば会員数は増えるか」──その問いは、実は未完成かもしれない。
答えを急ぐあまり、問いそのものの質が問われていない。
イノベーションを起こした人たちが共通して持っていたのは、深く本質を突く「問い」だった。
経営の前に、戦略の前に、まず問いを立てよ。

●その問い、本当に問いになっているか?

「どうすれば在籍(会員数)は、増えるのか?」「そのために取るべき次の一手は?」
日夜、そんな問いを脳内で立てているのではないでしょうか?

事業は異なりますが、編集やメディアの仕事をしているぼくも同じような問いを立て続けているので、その気持ちはよく理解できます。

しかし、その「どうすれば~」という問いは、実は問いとして未完成なのかもしれません。

問いそのものを問い直すことが、必要でしょう。
でも、だからといって「答え」を出すことを急ぎすぎていけない。

既存事業の再生や新規事業の創出に苦しむ経営者・マネージャーに共通するパターンというものが、業界を問わずあります。
それは、きちんと問いを立てる前に、「答え」を探し始めてしまっていることです。

焦る人ほど、「不知の自覚」や「自分バイアス」があることを忘れがちになり、視野狭窄に陥りがちです。
そして、結果だけを求めようとしています。

「競合がやっているようだから、うちもコンディショニングエリアをつくろう」「利益が目標に達しない。値上げできる余地のあるところを探せ」「会員数が減った。価格のせいだ。では、下げようか」──これは答えの模倣や安易な反応からの答えであって、問いからの発想ではありません。

●「自分起点」と「問い起点」は、まったく別物だ

過去にすごいイノベーションを起こした人たちは、どこから始めたのでしょうか?

例えば、ノーベル賞を受賞した研究者や時代を変えるようなビジネスをつくった起業家たち。彼ら彼女らに共通していたのは、「社会への強烈な問い」だったのではないでしょうか。

フィットネス業界のイノベーターなら、「なぜ日本人の健康寿命は延びないのか?」「なぜ運動は"義務"になってしまうのか?」「なぜクラブは"通う場所"のままなのか?」などといった問いを立てているかもしれません。

ここで間違えてはいけないのが、自分自身の感性はポテンシャルがすごいから、アーティストよろしくそこを起点に発想し