週末の午後、猿田彦珈琲で一冊の本を読み終えました。

岸良裕司著『なぜあなたはマネジメントを間違えるのか?』(KADOKAWA)—TOCを生み出したゴールドラット博士に直接師事した著者が、日本型組織に染みついたマネジメントの「通説」を69個、論理的に解体していく一冊だ。読み進めるほどに、「やってしまっていた」という感覚が静かに積み上がっていく。

フィットネス・ウェルネス業界の業態の盛衰を読み解くとき、ぼくは長年、システムシンキングとTOCを思考ツールとして使ってきた。パーソナルジムの急拡大も、総合クラブの苦境も、グループピラティスの熱狂と今後の二極化も——制約(ボトルネック)とループ図を使えば、驚くほどクリアに見えてくる。だからこそ、本書は素通りできなかった。

なかでも膝を打ったのが、第8章「イノベーションにまつわる間違い」に登場するE4Vというプロセス。「顧客の"不"」から始め、「WOW!」を経由し、「市場を教育する」—この順番を守るだけで、ぼくたちが生み出せる価値は変わってくるはずだ。そして同時に、ぼくは問い直していた。「"不"を見つける目」を、ぼくたちは本当に持っているだろうか、と。

TOCとシステムシンキングを使えば、驚くほど問題がクリアに見えてくる

パーソナルジムの急拡大から一部のチェーンの停滞、多くの総合業態をとるクラブの苦境、グループピラティススタジオの現在の熱狂と今後の二極化も—TOCの「制約(ボトルネック)」とシステムシンキングのループ図を使えば、驚くほどクリアに見えてきます。

だからこそ、そのTOCを生み出したゴールドラット博士に直接師事した岸良裕司さんの最新刊『なぜあなたはマネジメントを間違えるのか?』(KADOKAWA)は、ぼくにとって素通りできない一冊でした。

69個の「通説=ウソ」が、じわじわと刺さる

本書は、日本型組織に染みついたマネジメントの「通説=ウソ」を69個、9つのカテゴリーにわたって論理的に解体していく構成となっています。

「みんなが頑張れば、成果が出る」「走りながら、考えろ」「会議で過去を振り返れ」—フィットネス事業者、とりわけ経営層やミドルマネジメント層が読むほどに、「やってしまっていた」という感覚が湧き上がるのではないでしょうか。おそらく本書に記された半分以上の「通説」に心当たりがあるはずです。

なかでもぼくが膝を打ったのが、第8章「イノベー