主要フィットネス・ウェルネス関連上場企業12社(決算非公開のLAVAインターナショナルを含む)の2026年3月期決算が出揃った(記事内 図表参照)。

表面的な数字を追うだけでは見えてこないが、データの背後にある業界構造を読み解くと、ひとつの大きな構図が浮かび上がる。

総合業態を主軸とする従来型の事業者は、ビジネスモデルそのものの賞味期限に直面し、不採算店舗の整理という「過去を畳む」局面にある。

一方、ライト・キャペックスとFC展開を武器にする新興型の事業者は構造的高収益を確立し、その中でもカーブス、そしてFFJ(FAST FITNESS JAPAN)は一段強い構造を持つ。

本稿では、決算データから読み取れる構造的潮流を整理し、フィットネス事業を営む経営者がいま向き合うべき問いを示したい。

● 従来型の事業者の「収益化」の正体─ビジネスモデル賞味期限切れへの対応

総合業態を主軸にする事業者の数字に、注目すべき動きが現れている。

ホリデイスポーツクラブを展開する東祥のスポーツクラブ事業は、売上125.62億円(前期比▲0%)を維持しつつ営業利益16.695億円(同+242.2%)、営業利益率13.3%へと跳ね上がった。同社のスポーツクラブ事業は、不採算店舗の整理を進めながら、利益の出る店舗に運営資源を絞り込む構造改革を実行している事例と言える。

この動きの背景にあるのは、総合業態のビジネスモデルそのものが賞味期限を迎えつつあるという構造的事実ではないか。プール、スタジオ、ジムの“三種の神器”に、浴室、ロッカーを一体で抱える総合業態は、1店舗あたり数億円〜十数億円のキャペックスを要する。20〜30年の減価償却期間の中で、マシン入替、浴室・空調更新といった追加投資が継続的に発生する。生み出すフリーキャッシュフローで投資を回収しきれない店舗が、確実に増えている。

加えて、コスト構造は硬直的だ。賃料、人件費、光熱費、水道費といった固定費は稼働率とは無関係に発生し、プール・浴室の維持コストは特に重い。さらに「プールも入る、スタジオも出る、お風呂も使う」型の中高年層が縮小し、目的特化型の利用者が増える中で、「全部入り」のバンドル価値そのものが顧客にとって低下している。流通業界で、過去に地方のデパートが人気をなくしていった構図に似ている。

東祥のスポーツクラブ事業が示しているのは、こうした構造的問題への