パーソナルトレーニング市場が急拡大する中、トレーナーとして活躍し続けるには。
最新の動向と今後の展望について、パーソナルジム出店動向に詳しい、岡崎秀哉氏に訊いた。

岡崎秀哉氏
ビーサバイ株式会社
CEO

 

パーソナルジムを3タイプに分けた市場分析

タイプ①「短期集中型」
短期間(2ヶ月間で8回や16回など)のパッケージ型で、集中的にダイエットやボディメイクに取り組むタイプ

タイプ②「継続型(回数券・都度払い)」
1回いくらや、消化期間の長い回数売りで、長期的に継続し、少しずつ効果を出していくタイプ

タイプ③「継続型(サブスク)」
月額固定の通い放題で、長期的に継続し、少しずつ効果を出していくタイプ※「短期集中型」と「継続型(回数券・都度払い)」のプランを並行しているジムは、サイト上で上位に掲載しているプランで分類。 2022は「継続型(回数券・都度払い)」が特に増加した。

①短期集中型の傾向

昨年、24/7は店舗数が減っていましたが、今年は66店舗から88店舗に増えています。 RIZAPは、若干減少傾向にあることから、既存店の利益率や客単価を高めたり、新規出店はchocoZAPに注力したりしていることが見受けられます。女性専門の OUTLINEや B-CONCEPTなども増加傾向にあります。

②継続型(回数券・都度払い)の傾向

かたぎり塾、REALWORKOUT、BEYOND の3社を筆頭に、これまで個人ジムが多かったベッドタウンや郊外、地方への出店が増えています。店舗をドミナント的に出すなど、コロナ中に立てていた戦略が一気に動き出したように見えます。

③継続型(サブスク)の傾向

コンビニの跡地やロードサイドなどの出店が多く、FURDI 、GOOD LIFE GYM 、ELEMENTがそれぞれ20店舗ほど増えました。通い放題はトレーナー専任制でないケースが多いので人への依存度が低く、多くの会員数を確保するために近くに出店することで受け皿の確保をしています。

 「パーソナルトレーニング」からサービスが「パーソナル」の時代へ

コロナにより「コンディショニング」の需要は高まり、パーソナル自体の捉え方も多様化してきています。これまでは「ジムやトレーナーが準備したトレーニングをする場所」だったのが、「お客様がカスタマイズして心身のコンディションを整えたり自分を高める場所」として在り方が変わっていくと考えており、トレーニングだけでなく、ストレッチやマッサージなど、クライアント側がオーダーできるよう、広いジャンルを提供できるジムが残っていくと予測しています。

また、週1回、週2回というスタンダードから、郊外や地方を中心に、月1回、月2回という低頻度でも専門家に身体を診てもらいたい、メンテナンスしたい、相談したい、といったニーズが増えていくと予測しています。