株式会社コンセントでサービスデザインチームを立ち上げ、顧客視点での新規サービス事業開発や体験デザイン、またそれを生み出す組織やプロセスをつくるデザイン活動に従事する赤羽氏による連載。今号では、デザインスプリントの実行手順について、ブルーボトルの例から解説する。

 

 

 

環境の準備が大事

いよいよ、具体的にデザインスプリントを実行していくための手順に入ります。つまり、この連載をこれまで読んでない人もここから読めば実行は可能です!

さて、デザインスプリントは5日間のプログラムですが、効果的に実行し、走り切るためには環境の準備も大事です。

デザインスプリントを月曜日に始められないこともあると思います。構いません。私も土日や祝日を挟むことがありますし、前半を3日連続、後半2日を翌週に…といったかたちで飛び飛びでの実行になることもあります。とはいえ、月曜から金曜まで一気に進めてしまうのが理想的ではありますので、ここではその前提で話を進めますね。

デザインとスプリントの対象・テーマの設定

デザインスプリントは、大きなものから小さなものまで色々なテーマを扱うことができます

検討対象やテーマを考える必要がありますが、あなたが何かしら「今”チーム”で進める物事の進みが悪くて困っている」のであれば、デザインスプリントが役に立つ可能性は高いです。

特に、次のような状況ではデザインスプリントが効果的です。

リスクが高い、もしくは情報が少なくリスクが読めない状況

全く新しいビジネスを考えるときやリスクをいくら計算してもわからないとき、これはどんなに調べても情報は増えないので、実験するしかありません。

しかし大きなビジネスや解決策ほど、実験するには多くの費用と人手と時間がかかりがちです。なぜなら、あらゆることを実験しようとするからです。デザインスプリントでは、最もハイリスクな懸念事項にフォーカスして実験、検証を行います。

時間がないのに急いで決めなければならない状況

時間がないときほど、焦ってしまい時間ばかりが過ぎていきます。なぜこんな状況になってしまったのか? 誰が悪いのか?と最悪な場合は犯人探しや責任追及が始まります。

このような場合でも、リーダーが