会員制健康ビジネス専門のコンサルタント、田村真二氏にフィットネスビジネス・マーケティング戦略を連載でご紹介いただいている本稿。「フィットネス格安業態で成功する商品戦略の秘訣」について。サービスを格安で提供し、かつ会員数・売上・利益を増大させる戦略について解説する。

 

格安フィットネス、想定上回る反響

「これなら日本のフィットネス参加率も10%になりますね」「月会費1,000円のジムを当社でもぜひやりたいと思います!」「今回の記事、100%同感です」「格安フィットネスは絶対ニーズがあります」etc。

以上は私の記事(「格安業態で9割超の非会員マーケットを開拓する」)を読まれた方々からのお声の一部です。

一方で、「本当にそんなに安い会費で利益がでるのでしょうか」「すごく興味がありますけど事業として成立するのでしょうか」といったお声もありましたが、答えは「イエス」です。なぜなら、「月会費10ドル」のプラネットフィットネスを筆頭にアメリカではいくつもの企業が実際に成果を上げているからです。

こうした格安業態での成功の秘訣は、「巧みな商品戦略」「ローコスト経営」にあります。本稿では、格安業態でフィットネスサービスを提供する企業の商品戦略について解説します。

ポピュラー・プライスこそが参加率拡大の突破口

なぜ日本のフィットネス参加率は、長らく4%前後のままなのか? 考えられる原因はいくつかあるものの、私が考える最大の原因は、「大部分の人々が気軽に入会できる会費水準になっていない」からと過去の記事で指摘しました。冒頭紹介したお声にある通り、同様の考えを持つ方は少なくないと思います(がいかがでしょうか?)。

大多数の生活者が気軽に買える価格(および価格ゾーン)のことを、チェーンストア経営では「ポピュラー・プライス」(Popular Price)と表現します。小売業界や外食業界、サービス業界の一部(ヘアカットやマッサージなど)では、日本でも20