米国市場の変化から見えてきた事業再生~成長へのヒント

フィットネス文化発祥の国アメリカは、経営環境の変化も激しいなか、スピーディーな変化対応や変化創造が求められる競争エリアでもあり、今でもグローバル市場におけるフィットネストレンドをリードするフロンティアでもある。

Fitness Business編集部は、2024年3月6日~8日、ロサンジェルスで開催されたIHRSAコンベンションに参加するとともに、そこでどんな変化が起こっているのかを掴み、日本において明日の成長を実現するためのヒントを得るために、日本を代表するフィットネスクラブの関係者らとともに、視察に訪れた。

そこで見えてきた変化とは?今後、事業者はどのような対応をすることが求められるのか?簡単に、まとめてみた。

倒産企業に共通する3つの要因

アメリカを訪問中に、1本のYahoo!ニュースが流れた。東京商工リサーチによる「フィットネスクラブの倒産が急増、過去最多を更新中 サービスの差別化で競争激化、投資とコスト増も負担」との記事だ。

同社は「2023年度のフィットネスクラブの倒産は、2月までに28件に達し、すでに年度最多だった2022年度の16件を上回り、過去最多を更新した。現在のペースで推移すると、2023年度は30件を超える可能性が高い」としたうえで、「倒産増加の背景は、(倒産件数28件のうち、20件と圧倒的に多い)競争激化による『販売不振』だ」と一言で括っていたが、この分析は、荒っぽすぎないか。また、同記事は、「28件すべて資本金1億円未満(個人企業含む)で、小規模事業者の行き詰まりが目立つ。ただ、負債は1億円以上が7件(前年同期2件)と3倍増し、ブームに乗った無謀な先行投資が負担になった構図が浮かび上がる。これを裏付けるように、「形態別では破産27件(構成比96.4%)、特別清算1件(同3.5%)とすべてが消滅型の倒産だった」とも併せて記していたが、そもそも日本では、資本金1億円未満の企業が、98%以上であり、ほぼすべての企業が該当する。また、倒産企業の内訳をみると、老舗の総合業態や高級クラブも含まれているので、この分析も荒っぽすぎるといえる。

同社による記事の分析よりも、この記事に寄せられたおよそ2,000件のレビュー(コメント)を丹念に読み込んだほうが、事業者にとっては、その真因や課題が特定しやすいだろう。例えば