世界110カ国以上における医療・研究・スポーツなどの専門分野にて、臨床検査や健康指導をサポートしているInBodyシリーズ。今や体成分分析装置といえば「InBody」が定番となっていよう。国内ではフィットネスクラブのほか、医療施設や大学研究室、プロスポーツチームなどにも導入されている。その最新機種開発の経緯や特徴を訊いた。

ーーーー株式会社インボディ・ジャパン 大阪営業所 マーケティング部 岡山直也氏

さらなる進化を遂げた新機種

多様な業態の出店が相次ぐなか、フィットネス業界が抱える課題解決にInBodyは貢献できるのか?「継続率向上に大きく貢献できると考えている。目標や結果を数値として可視化でき、運動効果がわかりやすい。数値を基に、トレーナーも運動方法について明確なアドバイスができ、さらに成果を出しやすい環境を生む。測定結果を会員同士で共有することもあり、コミュニケーションが生まれ、退会防止にも役立つ。見学や体験時の入会プッシュ施策としても活用でき、会員数増加に貢献。近隣ジムとの差別化にもつながる」と岡山氏は話す。

健康意識が高まっている昨今、関連サービスのリリースや需要は日々拡大しているが、同社は機能面で大きな進化を遂げた「InBody380N」を含め新たに3機種を開発した。本体にQRリーダーが備え付けられたことで、自社アプリとの連動がより簡便となった。測定者はスマートフォンで測定結果を気軽に確認できるだけでなく、過去の測定結果との比較も簡単に行うことができる。体成分と体重の同時測定による時間短縮やペーパーレス化が図れることは、導入先にとってメリットであると同氏は話す。

革新的な技術、喜ばれるサービス支援

体重だけではなく筋肉量や体脂肪量、体脂肪率といった体成分を測定する方法はたくさん存在する。InBodyは人体に微弱な電流を流した際に発生するインピーダンスから体成分を測定するBIA法を採択するが、他社のBIA法を用いた装置とは大きな違いがあるという。

「過去の統計データを基に測定値を補正する、統計補正というものを使う企業が多い。年齢・性別・体型などの統計データにより測定値が補正されることで、実際の体成分よりかけ離れた結果が提示されてしまうことがある。InBodyは実測値から、その人本来の体成分を算出しているので、敏感に変化を捉えることができる、そこが強みの1つ」

充実した導入後サービス支援も特徴の1つだ。初回測定から3ヶ月のトレーニング後に再度測定、変化の大きさを基にランキング形式で表彰をする「InBody Challenge」というSNS参加型無料イベントを定期的に実施している。クラブや施設を利用される方にとって、運動のモチベーション維持や効果の可視化に相応しい企画だ。

同社webサイトでは、有益な活用事例を定期的に更新しているだけでなく、Googleマイマップで作成した「InBody測定ができる施設」を公開しており、InBody測定を目的に近隣施設を誰でも探すことができる。webサイトだけでなく各種SNSでの問い合わせも可能であり、導入先だけでなく利用者にとってもInBodyを身近な存在として捉えることができる。

強みをさらなるリソースに

同社は2018年より測定データをクラウドで管理できるサービスを始めているが、2023年に全世界での測定データがトータル1億件を突破したという。このビッグデータを基に、導入先のプラスになる情報や分析を集めた企画が、「InBody Report」だ。

国や地域、年代別や性別の比較はもちろん、測定結果だけでなく、クロス集計から「隠れ肥満の割合」も発表(グラフ)。全世界共通で、実測値のみから体成分を算出しているので、数値の比較・分析に説得力がある、と岡山氏は説明する。今後さらなる充実を図っていく「InBody Report」に期待したい。

 
 

同社はSPORTEC2024に出展する。新機種・新機能を体感できる日が、今からとても待ち遠しい。