ANAPAフィットネスの見どころはここ!
会員に運動を楽しんでもらえるVBT速度・加速度センサー
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お話を訊いた方五十嵐立彦さん Tatehiko Igarashi株式会社ANAPAフィットネス代表取締役
VBTって?
ANAPAフィットネスは、三重県・愛知県を中心にパーソナルジム、リゾートフィットネス「pulau」女性専用AIフィットネスジム「FÜRDI」など、複数のフィットネスクラブを運営し、地域に密着してきた。
五十嵐立彦さんは、フィットネスクラブの現場で運動指導の経験を積み、人々の生活をより快適にする社会インフラとしてこの道に携わってきた。このSPORTEC2024では、VBT速度・加速度センサーをお披露目した。
「VBTは、Velocity Based Trainingの略で、簡単に言うと速度に基づいたトレーニング方法です。SPORTEC2024では、velocient(ヴェロシェント)という日本製ブランドのFT-30とFT-50という機種をお試しいただきました」
もとは、ITエンジニア企業が開発したFT-10を、五十嵐氏の運営するクラブで試用することから始まった。その進化系がFT-30とFT-50だ。
「FT-30は、ジャンプをしたとき等の加速度・最大速度が測れるセンサーがついています。例えば、バスケットボールなど瞬発力的な速さを測りたいときに活用できます。FT-50は、ベンチプレスやスクワットをするとき、回数ごとの速度が測れるようになっていて、肘や膝の伸び具合、ブレなどをカットする検知機能があります」
速度・加速度センサーといわれると、専門性が高すぎて自分の対象顧客には合わない。と、あなどることなかれ。
実は、数値計測のための装置は、一般的なウェアラブルデバイスに搭載されているのと同じものだ。スマートフォンなどにある万歩計や睡眠データを測れるデバイスの多くは、速度・加速度センサーでそれらの数値を計測している。寝返りも、ランニングも、ウォーキングもだ。
「それらが市場に出回るようになったことで、速度・加速度センサーも普及してきました」
体調に合わせたトレーニング
ところで、速度・加速度センサーには、どのようなメリットがあり、一体、どのように使うのだろうか?
「よくある1RM基準の何%というトレーニングは、その日の体調によっては、トレーニング重量が合わないことがあります。ですが、VBTデバイスで速度を測ると、その日のコンディションに合わせた重量設定ができます」
速度・加速度センサーは、バーや腕にデバイスを装着して運動する。運動を始めると、各回数の速度が表示され、数値が出る。数値が出たら、速度と重量の関係から出されているデータを参考にトレーニングを行う。
「実際に想定していたウェイトよりも軽めだった、ということも多いです。それにより、適切な負荷設定ができ、関節への負担の軽減や怪我防止の見える化にも寄与します」
五十嵐さんは、シニア層、低体力者にとっても、簡単に行えるアプローチ方法であり、速度数値が分かるトレーニングは動作を間違えなければ日常の動きを円滑にするのではないかという。
「パーソナルジムでの事故もクローズアップされています。その日の体調によっては前回と同様の重量設定では負担になる場合もあります、これも速度を確認して適正重量を合わせることが可能です。このVBTデバイスvelocientは日本製で他のデバイスと比較しても非常にコンパクトでこれからトレーナーとして使用したい人も購入しやすい価格になっています」
万人にとって、運動が楽しいとは限らない
五十嵐さんは、このところのフィットネス業界を俯瞰し、「楽しさ」の提供がカギになると話す。
「AIやchat GPTなどのデジタル化の潮流からして、ビッグデータの活用が進んでいき、色々なことがさらに見える化されるでしょうが、フィットネスの業種では、それらを活用して情緒的価値まで結びつけるスタッフとのリアルなコミュニケーションが必要だと思っています。数値を見て、どのようにしたら、お客さまに楽しく運動していただけるか、また、そのなかでの人としてのつながりが、大事なのではないでしょうか」