倉敷でヨガとスタジオレッスンを展開していたプレミネントが、2026年4月20日に岡山地裁倉敷支部から特別清算開始決定を受けた。2024年に営業停止し事業は第三者に譲渡済み。
報道は「同業種の増加で集客難」と総括する。先日の高岡のオーパス(負債約8億2300万円、5月1日に破産手続き開始決定)に続く、地方フィットネスの連鎖的撤退の報である。
しかし「レッドオーシャンに飲まれた」という一行で片づけてよいのだろうか。この案件は、業界に大いに勢いが出てきた2018年前後に開業した中規模事業者すべてに通底する、3つの構造問題を映し出しているように見える。
順に解きほぐしてみたい。
(1)「ヨガ+スタジオレッスン」という業態定義の賞味期限切れ
2018年は、LAVAやCALDOがホットヨガ市場を完成させ、loIveやzen placeが地方展開を加速していた飽和直前の時期にあたる。そこに「ヨガとスタジオレッスンができる」という、何にも特化していない普通の業態で参入した―この時点で構造的に弱かった。
東商リサーチは「同業種の増加」と書いているが、より正確には同業種ではなく上位互換業態の増加である。ホットヨガ専門、ピラティス専門、24時間ジム、暗闇フィットネス、女性専用―どれも対象顧客の求める価値を明確にし、価格・体験・成果の輪郭をくっきりさせている。
バイロン・シャープの言うカテゴリーエントリーポイント(CEP)が立っていなかったのだ。「ヨガといえば―」で最初に想起される手がかりを持てない業態は、それなりのプログラムは提供できても、顧客に「何のために行くのか」を自分事化させることができない。
(2)95%の未顧客に届くチャネルを持たなかった
倉敷の人口は約47万人。フィットネス参加率を仮に5%とすれば有効市場は2.35万人。そこにイオン3FIT、はあもにい、BETORE、LOIVE、SOELU・・・既存プレイヤーが次々と出店する。
地域スタジオが生き残るには、コンセプトを明確にした狭商圏×未顧客アプローチでの徹底した”地縁”オペレーションしかない。徒歩・自転車5分圏の住民を未顧客から顧客にどう変えるか―この問いに顧客の立場で答えられること。地域で成立しているスタジオには、必ずこの共通点があるはずだ。
「ヨガ+スタジオ」のままでは、既にフィットネス・リテラシーのある層にしか届かない。しかもその過去の定番