クライオチャンバー、リカバリーテック、最新の診断ツール・・・。
設備投資だけで「ロンジェビティ(長寿)」を名乗る施設が後を絶たない。
しかし、そこに一貫したコンセプトはあるのか?
統合されたゲスト・ジャーニーはあるか? 今回はドバイの辣腕コンサルタントの指摘を起点に、フィットネス施設が本当に健康長寿を実現するために必要な「自己強化型ループ」の設計図を提示したい。
◆90%はハードウェアとして扱っている_ドバイからの警鐘
ロンジェビティ(長寿)―
フィットネス・ウェルネス業界で、今もっとも勢いのあるバズワードだろう。だが、その言葉をきちんと構造化できている事業者がどれほどいるか。
ドバイ(UAE)でフィットネスのコンサルタントを務めるイブさんは、こう喝破する。
「フィットネス・ウェルネス業界では、今、誰もが使うバズワードと言えましょう。でも、きちんと構築できている人はほとんどいません。例えば、ホテル。その90%は、いまだにロンジェビティを"ハードウェア"として扱っています。クライオチャンバー、リカバリーテック、診断ルーム、そして単一サプライヤーの機材で壁一面を埋め尽くした、設計思想のないジム。そこに投資しています。しかし、そこにはソフトウェアが欠落しています。一貫したコンセプトもない。統合されたゲスト・ジャーニーもない。その背後にオペレーションのロジックがないのです」
この指摘は、ドバイのホテルだけの話ではない。日本のホテルのフィットネスゾーン、あるいはフィットネスクラブでさえも、思い当たるところがあるのではないだろうか。最新のマシンを導入した。リカバリーエリアも設けた。しかし、それらが一つのコンセプトのもとにつながっているか。顧客がその空間を歩いたとき、一貫した体験として感じられるか。そう問い直すと、答えに窮する施設は少なくないはずだ。
では、本当に「ロンジェビティ」を実現するにはどこから手をつければよいのか。
その答えのヒントはファクトを反転させることにある。
◆反転させる―コンセプト→ジャーニー→システムの順序で考える
もし本当に、健康長寿を実現して、一人ひとりの多様な人生を認め合い豊かなものにしていきたいなら、どういう運営をすべきか。
ハードウェアから始め