パーソナルジムの経営って何をしたらうまくいくのだろう

業態としてパーソナルジムを経営する魅力を知りたい

パーソナルジム経営での注意点ってなんだろう

パーソナルジムがどういうものかはわかっていても、実際に運営をしたことがないと、どういうことを抑えるべきか経営のポイントはわかりにくいことも多いだろう。

本記事では、フィットネス業界のビジネス状況を10年以上追い続けてきた、フィットネスビジネス編集部がパーソナルジム経営について現況や注意点、成功のポイントをまとめた。

種類とともにターゲット広がるパーソナルジム経営の現状

パーソナルジムの経営状況は日々、変化を続けている。

ここでは、まずパーソナルジム経営をする上で知っておくべき、ジム業界全体の現状を、以下の3点にまとめてお伝えしたい。

  • 小規模業態の躍進
  • 種類の増加
  • ジムを利用する世代が拡大

それではそれぞれを確認して行こう。

小規模業態の躍進

エニタイムフィットネスが日本に参入したことを機に始まった、小規模業態の躍進。

大型店舗への入会にハードルを感じていた方や、絞られたアイテムに利用しやすさを感じた人々からの人気や、初期投資の低さもあいまって、その出店数は右肩上がりとなっている。

種類の増加

当初はジム単体施設やヨガスタジオ(ホットヨガ含む)などが多かったが、近年は多様化するニーズに合わせて「ダイエット」「コンディショニング」「スポーツパフォーマンスの向上」に特化した施設など、その種類も増え続けている。

ジムを利用する世代が拡大

当初は若年男性の利用が多かったところ、スポーツに取り組む学生や、体力増進や健康維持に取り組む中高年にまで、ターゲットは広がっている。

パーソナルジム経営がもたらす魅力

種類が拡大するジムの中でも近年増えているのが、1:1でお客さまに向き合うパーソナルジムだ。

ここでは、以下の3つの視点でそれぞれの魅力を紹介していきたい。

  • 顧客ごとのニーズに合ったサービス提供
  • トレーナーがやりがいを感じやすい
  • 初期投資が少ない

それでは、それぞれを解説しよう。

顧客ごとのニーズに合ったサービス提供

総合クラブでも、入会時にはお客さまのニーズや目標を聞き、それに合わせて運動メニューをつくったり、お勧めのトレーニングを提案する。しかし、会員数の多い総合クラブでは、その後もスタッフやトレーナーが一人ひとりに向き合うことは現実的に難しい。

基本的に提案された内容を元にお客さま自身がトレーニングに励むことになるが、これではモチベーション維持が難しく、結果的に成果も出づらいことになる。

その点、パーソナルジムでは、より一人ひとりの方に合ったトレーニングメニューを提案できるだけでなく、お客さまのその日の心身の状態によってトレーニング内容を変えるなど、柔軟に対応することができる。

これらの要因がお客さまのモチベーション維持につながり、目標達成への近道となるのである。

トレーナーがやりがいを感じやすい

トレーナーにとっては、自分の技術を活かして一人ひとりのお客さまにじっくりと向き合えることで、大きなやりがいを感じることができる。

運営企業からの制約を受けたり、不必要な業務に駆り出されることもない。お客さまと密なコミュニケーションをとれることで、時にはプライベートな相談を受けるなど、「信頼されている」感は喜びにもなる。

初期投資が少ない

施設もワンルームやレンタルスペースなどから始められることもメリットだ。

近年は簡単に導入できるトレーニングアイテムも豊富にあり、大型マシンなどを導入しなくても、複数のアイテムを組み合わせることで、様々なトレーニングを提供できる。

究極をいえば、思いついたら明日にでも始められる初期投資の低さも魅力だ。

先の「ダイエット」「コンディショニング」など、どんな方をターゲットに、どんなサービス、アイテムを用意するのか。まさに自分の個性が活かせるとあって施設づくりにも力が入ることだろう。

パーソナルジムを経営する前に検討すべき事項

ここでは、パーソナルジムを経営する前に検討すべき事項として、以下の4点をピックアップして解説する。

  • ターゲットとサービスを明確にする
  • 集客力のある料金設定にする
  • スタッフの採用基準を決めておく
  • 初期投資をしすぎない

それでは、一つずつ見ていこう。

ターゲットとサービスを明確にする

数年前ならともかく、種類も店舗数も増えた今、ターゲット設定や提供サービスがあいまいな施設は、より低価格、または新しい施設に移られてしまう可能性が高い。

あらかじめ施設の強みを明確にし、提供サービス、ターゲットなどをしっかりと決め、それらを効率よくアピールできるプロモーション方法を考えたい。

集客力のある料金設定にする

もちろん料金設定も重要になる。集客のためと価格を低く設定しすぎると、常に退会を抑え、集客し続けなければならない。体調が悪くても休めないという、自分の首を絞めることとなる。

地域性や周辺の競合の価格設定を考慮しつつも、提供サービスに自信があるのなら、それなりの対価をいただくことも必要だ。

スタッフの採用基準を決めておく

また、最初は自分1人で始めてもよいが、やはりともに活動してくれるスタッフがいれば、より順調な運営につながるだろう。採用基準や育成についても検討しておくと安心だ。

初期投資をしすぎない

今回の新型コロナウイルスのような感染がまたいつ起こるかわからない。

自分の理想の施設づくりを追求し過ぎて必要以上の設備投資を行い、オープンしたが休業を余儀なくされては大変だ。

初期の設備投資はほどほどに、運用が軌道に乗ってから少しずつアイテムを追加していこう。

パーソナルジム経営の成功事例

「お客さまの目的を叶えたい」「お客さまを健康にしてあげたい」という志だけで施設を経営し続けることは難しい。

トレーナーとしての活動のみをやっていた方は、経営についても事前にしっかりと学んでおきたい。

そこでここでは、パーソナルジムの成功事例を紹介したい。

成功事例>施設A 資本金:777万円 施設規模:約70㎡ スタッフ数:7名

●コンセプト

一人のひとりの身体の悩みを解決する

●マーケティング

郊外立地、マンツーマンでの完全予約制

●スタッフ

全員が理学療法士、高い指導技術を提供

●会費

月会費(4回)18,000円または28,000円

半年会員(24回)103,200円または163,200円

1年会員(48回)196,800円または312,000円

※会員種別による

●サービス

施設での指導のほか、高齢者や障がい者の自宅を訪問しての指導や、企業フィットネスも提供

施設Aを運営するのは、自身の家族が変形性股関節症になったことを機に、身体に興味をもち、理学療法士の資格を取得したという人物。スタッフも全員が理学療法士という高いスキルをもつことで、高齢者や障がい者にも対応できることが強みだ。

さらにポイントを挙げれば、全スタッフがお客さま全員について把握していることだろう。カルテをしっかり共有することで、1人のお客さまに対して特定のスタッフを付けるのではなく、誰もが担当できるようになっている。

様々なスタッフが対応できることで、トレーニング方法が偏らず、様々なアプローチができるほか、お客さまがスタッフの出勤日に合わせて来館する必要もなくなる。

同施設では、質の高いトレーナーを育成する研修システムもきちんと備えている。入社後3ヶ月間の研修を終え、5段階に分かれたテストすべてに合格すると、お客さまへ指導できる。

その後も月1回は、スタッフ一人ひとりが学んだことを発表する機会を設けるなど、スキルアップに励むことが習慣化する流れができている。

そのほか、施設に来てくれるお客さまをただ待つのではなく、高齢者施設や企業など、自ら出向いて指導を行っていることも、成功要因の1つといえるだろう。

まとめ

店舗数が増えた今、サービス内容の特徴が乏しい、また設備が不十分であったりする店舗の淘汰がすでに始まっている。

実際、お客さまのなかには「近所にある複数の店舗をチェックしてから入会を決める」という声も聞く。

開業へのハードルは低いものの、トレーナーの技術はもちろんのこと、消費者を魅了するサービス内容と施設であることが、今後のパーソナルジムの経営には求められている。